円がダラダラと下がって、1ドル148円をつけるところまで来てしまった。
米国の10年物国債では4%を超す長期債利回りとなっているのに、日本はあくまでも0.25%にこだわっている。
米国と日本との金利差が3.95%にも広がっており、円が売られるのは当然のこと。
いくら日本のインフレは大したことないから、金融緩和政策の変更は必要ないといったところで、経済合理性からすると無謀もいいところ。
海外の投機筋ならずとも、米国債を買おうと円売りドル買いの投資にシフトしようとするのは、水が低きに流れていくようなもの。
それが、経済合理性というものであって、いかなる為政者も流れを止めたり変えたりはできない。
それに対し、日銀はあくまでも力で流れに逆らい、ゼロ金利を維持しようとしている。
また、財務省も円買い介入でもって、円安の流れを阻止するといった強気発言を繰り返している。
どうにも不合理な政策としか、言いようがない。 経済的な不合理は必ず是正されるのが歴史の教訓である。
いくら日本の政府当局にゼロ金利を維持したいとする都合があろうと、経済合理性には逆らえない。
いずれ時間の問題で、日銀や政府当局の無謀な抵抗は吹き飛ばされよう。
その時は、日本の金利は噴き上がり、日銀の財務は急悪化し政府の予算編成にも赤信号がともる。
金利上昇という津波に襲われて、とんでもない混乱が日本全体を襲うことになろう。
それもこれも、政府当局が経済合理性に逆らって、無駄な抵抗を重ねてきた当然の報いである。
厳しい先行きが予想されるが、これは避けようがない現実と覚悟しよう。
ひとつ間違えると、ガラガラポンの状態にまで叩き落されることにも、なりかねないのだ。
なにしろ、マスコミ報道にもあるように、日本全体で無気力病といったものが蔓延している感がある。
どうやっても成長率は高まらないし、国民全般も低所得に安住するばかり。
その横で、日々の生活にも苦しむ人々が、じわじわと増加してきている。
それに対し、日本の指導者たちはズルズルと問題の先送りを続け、抜本的な改革を考えようともしてこなかった。
その点、一度ガタガタになった方が、国に頼ったりの甘えも吹っ飛んでくれる。
それでもって、国民の間で自助自立の精神がよみがえってくれたらとさえ思う。