金融マーケットの荒れ模様、まだ序の口

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ずっと前から指摘してきた、金融緩和バブルの崩壊だが、徐々に現実味を増してきている。

株式市場にしても債券市場にしても、静かに水準を下げてきていて、投資家心理もじりじりと弱くなっている。

それでも、まだ暴落局面には至っていないし、その様相はどこにも見られない。

どの投資家も世界的なインフレ圧力や金利上昇という悪材料を認めながらも、まだ高を括っている節がある。

それだけ、世界的なカネ余りの燃えカスが強く残っているのだろう。

こういった展開では、なにか大きな売り事象が突発的に発生するや、状況は一転する。

どの投資家も大慌てで売りに走り、マーケットは大暴落となるケースが多い。

その寸前までは、ダラダラと株式市場や債券市場にしがみついているのも、これまた投資家心理である。

いずれ大きな下げに見舞われると感じながらも、なかなか思い切って売り仕舞いに入っていけない。

かといって、昨年の夏ごろまでの強気ムードは、もはやどの投資家も持っていない。

こういった宙ぶらりんの状況は、主として機関投資家が醸し出していると考えられる。

彼らはマーケットに密着して成績を追いかけるのを仕事としている。

間違えても、自分の判断でさっさと売りに入ることはしない。 あくまでもマーケットについていく。

よくいわれる、音楽が鳴っている間は、ダンスを踊り続けなければならないのだ。

そういったマーケット追随の機関投資家ばかりだから、現状のようなジリ下げ相場を黙ってついていくわけだ。

われわれ長期投資家からすると、早く売ってしまえばいいのにの一言である。

どうせ、もう時間の問題で大きな下げに入っていくのだから、さっさとマーケットから離れるに如かずだ。

ともあれ、いずれはじまる機関投資家たちの総売り逃げの修羅場からは遠く離れていよう。