文化という経済活性化

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昔は、製造業中心の経済にばかり関心が向かっていた。 生産力増強こそが経済発展だという具合に。

この20年ほど、広い意味での文化産業への関心が、どんどん高まってきた。

いってみれば、生産活動が主体となった経済構造から、消費主体へのシフトだ。

それは、あたかも日本経済の成熟化と軌を一にしている。 といっても、日本経済の成熟化はもっと前からだが。

より正確には、日本経済の成熟化による成長率鈍化に直面し、どうすればいいのかをずっと考えてきた結果だ。

この31年間、国や政府は相変わらず、企業に事業拡大投資を促している。

しかし、耐久財中心に買い替え需要が主体となってきた国内需要をみるに、そうそう設備拡大投資の出番はない。

企業の方も、需要が爆発している新興国などでの生産設備投資を加速させる一方で、国内投資は二の足を踏んでいる。

このジレンマをどう打破するかを考えてきているうちに、消費需要の拡大でもって成長率を高めるに如かずに至った。

同時に、国のゼロ金利政策が日本経済の成長に大きなマイナスとなっているという問題意識が、どんどん大きくなっていった。

ちなみに、今年の3月末での個人の預貯金残高は983兆円に上る。 (日銀統計)

それが、年0.01%の利息では983億円の利子収入にしかならない。 20%の源泉税が引かれると、手取りは786億円だ。

もし通常の金利体系なら、年3%~4%の利息は期待できる。 983兆円の預貯金残高だと、29~39兆円の利子収入だ。

そこから20%の源泉税が引かれても、23~31兆円の利息収入が家計にもたらされる。

その半分が消費にまわるだけでも、日本経済には2.2%~2.9%の成長がプラスされる計算だ。

なにがなんでもの、金融緩和とゼロ金利政策で、日本経済はそれだけの成長要因を棄ててきたわけだ。

実に、もったいない話である。 自分が、金融緩和政策にずっと反対してきたのも、理解してもらえよう。

ところで、消費需要を高めるといっても、少子高齢化でモノへの需要はそう伸びてくれそうにない。

しかし、モノを超えて生活の質を高めたり、潤いをもたらす方向での消費は、いくらでも高められるはず。

それが、広い意味での文化産業である。 そちらの方向で人々がお金をどんどんつかえば、雇用が生まれ新しい産業ができていく。

つまり、文化を中心とした経済活性化策となっていくわけだ。 同時に、日本経済の構造も変わていく。

さわかみグループが、カッコ好くお金をつかおうよと世に訴えつつ、いろいろなビジネス活動を展開しているのも、まさに日本経済や社会の活性化を願ってのものだ。