今年は、お金も心身も健康であることが、嫌というほど実感させられることになろう。
心身の健康は言わずもがなで、一人ひとりの気の持ちよう次第で、大きな違いとなる。
昔から、病は気からといわれているように、マイナスの心理から生まれてくるものに、ろくなものはない。
その病は気からなんだが、金銭的にあるいは財産上で大きな損失を蒙るのも、心身には大きなショックとなる。
もうそう遠くない先で、いまの金融バブルは崩壊するのだろうが、その時は単に株価などの暴落では済まされそうにない。
もちろん、現行のバブル株高を謳歌している人達は大損を食らい、売るに売れなくなった投機の残骸を大量に抱え込むことになる。
一転直下の酷い有様を見て、株式投資などを忌避してきた人たちは、「やはり、投資なんて手を出さなくてよかった」と、しばらくは胸をなでおろす。
ところが、その後からやって来る預貯金地獄に真っ青となるのだ。 どういうことか?
世界的に史上空前の金融緩和と資金の大量バラ撒きによって醸成されてきた、この壮大な金融バブルが崩れるのだ。
その余波は金融マーケットのみならず、金融界や企業経営全般にも及んでいく。
先ず、カネあまりのバブル投機に踊ってきた個人も機関投資家も、はたまた企業や金融機関も巨額の投資損を食らう。
それどころか、売るに売れない大量の投資残の評価損を抱え込む一方で、とんでもないツケがまわってくる。
投資だか投機だか知らぬが、資金を調達してきた先からは解約やら資金回収の催促が矢のように舞い込んでくる。
バブル崩壊で大損を食らった上に、巨額の評価損を抱え込んだ。 ところが、借りた資金は契約通り満額の返済を求めてくる。
現金化はままならない。 たとえ現金化しても、巨額の減価を蒙っている。 しかし返済は、満額の資金を要求される。
ここに、現状のカネあまりでは信じられないような現金不足が、金融マーケット全体に覆いかぶさってくるのだ。
それはそのまま、金融界のみならず産業界に資金不足、つまり信用収縮が襲い掛かってくることになる。
そうなると、銀行経営も急悪化は避けられず、場合によっては預金の引き出しを制限させられることも、あり得る。
つまり、預貯金に安穏としてきた人たちは、自分のお金なのに自由に引き出せない事態位追い込まれるわけだ。
それだけではない。 信用収縮で金利はスルスルと上昇し、お金の価値の低下すなわちインフレの火が燃え広がりだす。
頼みの預貯金は引き出せないし、その横でインフレが進行しだしてきた。 なんの抵抗もできないまま、財産の目減りをただ眺めるだけ。
これは、きつい。 心身の健康におそろしいマイナスとなる。
その時になって、本格的な長期投資をやっておけばよかったと思い知るが、もう手遅れの人たちが続出しよう。
そんなこと、あり得ない? 残念ながら、現行の金融バブルの行き着く先は、そういった修羅場しかない。