待ってましたの金融バブル崩壊に、パンデミックの邪魔が入った

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新型コロナウイルス問題をきっかけとして、3月に入ってから世界の株価が大きく崩れた。

それが引き金となって、他の金融商品にも雪崩れ現象的な売りが出だしていた。

世界の金融界に緊張感が走り、安全資産と目されてきた米国債でさえも売りが出て、現金化の流れが高まりかかっていた。

しめしめ、これでようやく異常な金融緩和による金あまりバブルも吹っ飛んでくれると、ワクワクしていた。

ところが、コロナウイルスの感染が世界中に広がりだしてパンデミック(世界的大流行)問題となってきた。

各国は相次いで外出制限や入国禁止の措置を打ち出したので、国内の経済活動は大きく落ち込み、世界的なサプライチェーンも寸断された。

飲食店やホテル・旅行業界をはじめとして、多くの商店や企業が開店休業状態に追い込まれ、無数の人々の仕事が蒸発してしまった。

このままだと世界景気は失速どころでは済まず、恐慌状態にまで行ってしまう。

それは何がなんでも阻止しなくてはということで、各国政府や中央銀行は無制限に近い資金供給に踏み切った。

なんのことはない、金あまり金融バブルの上塗りである。 それも、一層スケールアップした資金供給が即座に始まった。

表面的には新型コロナウイルス問題で甚大な被害を被った商店や企業、そして収入減を奪われた人々の救済を急ぐということである。

しかし、その裏では金融バブルに踊ってきた企業や金融機関、はたまた機関投資家の延命措置となってしまう資金供給でもある。

パンデミックは一刻も早く収束してもらいたい。 事態が落ち着いてくれば、経済活動はこれまでの反動もあって、一気に活況となろう。

それを、いち早く先取りするのは株式市場である。 すさまじい株価暴騰の局面も十分に考えられる。

他の金融商品も一息ついて、金融不安の懸念も一時的にしろ遠のくだろう。 機関投資家のディーリング売買も活況を取り戻そう。

まあ、それで万事めでたしということにはならない。 これまで以上に大量の資金供給は、各国中央銀行の財務をさらにさらに膨らませる。

そして、各国の財政悪化も加速する。 唯一、健全財政を誇ってきたドイツも財政出動に踏み切った。

もうこうなると、すさまじいインフレへと直行するしかない。 インフレ進行の過程で、金利は上昇しバブル投機のほとんどが吹き飛ぶ。

おそらく、そう読んでおいて良いのだろう。 どちらにしても、われわれ長期投資家にとっては、企業の応援投資を続けておくだけだ。