お金に汗流して働いてもらう

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これまで、お金にゆったりと働いてもらうのが長期投資だよといってきた。

ふと考えた。 「ゆったり、のんびり」が、たしかに長期投資のイメージにはピッタリくる。

ただ、実際に長期投資していると、真っ正面からの闘いという要素も結構ある。

その典型が、皆が売り逃げに走るような暴落相場を敢然と買いに行く時だ。

そういった時の買いなんぞは、よほど強く「この企業を応援しなければ」と思えなければ、とうていできる話ではない。

あるいは、2年3年と低迷相場が続くこともある。 そんな時、多くの一般投資家はとても耐えられない。

ところが、われわれ長期投資家は「この企業を応援しているのだ」という気持ちが揺らぐことはない。

そういった断固たる行動や、応援心が揺らぐことない強い信念ともなると、もう闘いモード満載である。

こう考えてくると、長期投資は決して平たんな道のりを進んでいるのではない。

もちろん、大きな下げ相場をしっかり買っておいて、経済状況や投資環境の改善で株価が戻ってくるのを、のんびり待つ側面もある。

ただ、行動すべき時には敢然と行動する、そのあたりを見るにつけ、お金に汗流して働いてもらっているといいたくなる。

まあ、どう表現するかは、そう大した問題でもない。 ただ、お金に汗流して働いてもらうというのも悪くない。

なぜなら、長期投資は経済活動の一環である。 というか、経済の現場に資金を投入し経済活動の活発化を促す役割を果たす。

そこが、マーケット内でお金の分捕り合いをやっている一般的な投資との違いである。

お金の分捕り合い? そう、多くの投資家は相場変動に飛び込んでいって値ざやを抜いて儲けようとする。

そういったディーリング投資は、マーケットでお金の分取り合いをしているのであって、社会的な富の増殖にはさして寄与しない。

一方、われわれ長期投資家はパッパとお金を儲けようなんてしない。 お金にじっくり働いてもらうのだ。

それでもって、良い世の中をつくっていこうとする。 やっぱり、お金に汗流して働いてもらうって感じかな。