長期投資家の読み、こんなだよ!

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われわれ長期投資家は、今年来年の株価見通しとかには全く関心を抱かない。

まして、相場動向の読みなんて、どうでもいい。 大きく売られたら、しっかり買っておくだけのこと。

したがって、相場の読みなど必要ない。 そんなことよりも、なにを買っておくかのリサーチだ。

だからこそ、10年ぐらい先の経済や株価の見通しに関しては、常時あらゆる角度からの検討を怠らない。

その上で、これとこの投資はやっておこう、こちらの分野からは一切おさらばだと、明確な投資判断を下す。

すこし書いてみようか。 大きな読みとしては、ここから5年ぐらいの間に世界の金あまり景気は失速しよう。

たとえ失速しなくても、一向に構わない。 その読みが外れたところで、長期投資に何の支障もない。 その理由は、最後に書こう。

ともあれ、金あまり景気の行き詰まりで、各国は一層の資金ばら撒きに走るだろう。 だから、異常なる金あまり状態は続く。

その横で、不動産や金融取引の分野で徐々に利回り計算が立たなくなり、新規の買いよりも売りが優勢になっていく。

これだけ、ゼロ金利やマイナス金利が常態化すれば、利回り計算など立てようがなくなる。 新規取引が落ち込むのは当然のこと。

一方、売りが増えてくることで市場での利回りは上がっていく。 市場金利の上昇傾向は、一度はじまると一気に加速する。

金融バブル崩壊後、世界中で延々と積み上げてきた低利回り取引が、それこそ山ほどある。

そのあちこちで売りが殺到し、売りが売りを呼ぶ展開となっていくのだ。 リーマンショックの再来となってもおかしくはない。

そうなったら、当然のことながら各国政府や中央銀行は、なにがなんでも政策金利ゼロを維持しようとする。

すると、低利回り投資の投げ売り圧力による市場金利の上昇と、政策金利ゼロとの間で、強烈なねじれ現象となる。

ねじれ現象の中、市場金利の上昇は物価全般を押し上げるインフレ圧力ともなっていく。

インフレ圧力が高まってくると、もはや各国は異常なる金ばら撒き政策を続けられなくなる。 ゼロ金利政策も吹っ飛ぶ。

そうなると、不動産などのバブルが弾け、株価も一時的には大きく売られよう。

金あまりによる張りぼての景気は一気に収縮し、その部分の経済活動は大混乱に陥るなか、人々の生活をベースとした本来的な経済が見直されよう。

おそらくだが、大混乱の渦中から本来的な経済活動への資金シフトが加速しよう。 つまり、われわれ長期投資家の領域分野だ。

ここまでの読みでは、いまからどんどん長期投資を進めておいて、何の不安もない。 それどころか、長期投資しておくのが一番安全なのだ。

最後に、この読み通りにならなかったとしよう。 ということは、世界的な超低金利やマイナス金利が続くわけだ。

つまり、多くの短期投資家がチマチマ積み上げる、ちょっぽけな利回りよりも、さわかみファンドの5.5%の方がずっと高い。

したがって、金あまりの張りぼて景気が続こうと、5年以内に行き詰ろうと、われわれ長期投資家は一向に困らないのだ。