いつから、どんなタイミングで投資はじめたらいいの?

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昨夕の新人研修で飛び出て来たのが、お客様から「こんな質問を受けたら、どうしましょう」だ。

もちろん、新入社員たちには「自分で考えろ。 いつ、どんな風に、さわかみファンドに乗り込んでいただくか、徹底的に考えるのだ」と突き放してやった。

その上で、長期投資の観点から、お客様の心理という観点から、世の中で一般的になっている営業という観点から、いろいろな話をした。

いろいろな例をあげて説明したが、そこから先は社員一人ひとりが「どう、自分の心で語れるか」が問われてくる。

頭で理解して、しゃあしゃあと、お客様に語れたらいいのではない。 心で考え、心で納得し、心のままに語れるところまでいきたい。

さわかみ投信では営業は一切しない。 新規顧客を増やすためとか、運用資金拡大のためといった営業はしないのが、創業からの精神である。

世の中で一般的な営業は、顧客や顧客資金を「利」とか「儲かる」でもって集めようとする。

そういった営業は、多かれ少なかれ「どれだけ儲かるか」の利益計算の上に成り立っている。

顧客との接点も、儲かるだどうかだ。 儲からないとなれば、顧客資金は長居は無用とばかり去っていく。

そう、世の中で一般的となっている営業では、ある程度の期間で成績を出し続けることが、絶対的に問われるわけだ。

眼に見えて運用成績が上がってこないとなれば、他をさがそう。 これをやられたら、まともな長期投資などやっていられない。

われわれの長期投資では、成績が積み上がってくるまで3年5年、場合によっては7年かかることもある。

その間、儲かっているとお客様に実感してもらえないこともしばしば。 そんな状態が続いても、お客様が付き合ってもらえるかどうか。

ほら、このあたりになってくると、「利」とか「儲け」とかを越えた価値観が、お客様との接点となってしまう。

そこで大事になってくるのが、「お金に働いてもらおうよ」「企業を応援しようよ」「活力にあふれた、良い世の中をつくっていこうよ」といった、青臭い考え方である。

たしかに、そんな提案は金融のみならず一般的な営業でも、青臭いと片づけられてしまうかもしれない。

しかし、どんな商売でもビジネスでも、お客様や世の中に喜んでもらって、はじめて利益につながっていく。

そう、「ありがとう」という言葉とともに、商売での儲けも投資のリターンも後からついてくるのだ。

ここまでくれば簡単だろう。 うちの社員がお客様に対し、「利」や「儲け」でもって接することはない。

お金にしっかり働いてもらって、大事な企業を応援していって、より良い世の中をつくっていきましょう。

そこに住むのは、皆さんですよ、子どもたちですよ。 もうこれだけでも十分なる投資のリターンでしょう。

企業を応援していく過程で、その企業の株式を安く買って高く売るを繰り返すことになります。 それが長期投資です。

この単純な繰り返しを続ければ、投資リターンは後からついてくる、そのイメージは持てますよね。

これだけのことを、心から語れるようになったら、すごい。 きわめて高度な営業をしていることになる。