昨日の続きみたいになるが、世界のマーケットが荒れ模様になればなるほど、われわれ長期投資家は気合が入ってくる。
マーケットつまり相場は、買う人が多くなれば上がるし、売りが増加すれば下がる。
市場参加者のほとんどは、儲けよう損したくないの一点でもって、買うか売るかの判断をする。
株価など相場が上がっていれば、「買いの参加者が多い、この流れにつけば儲かりそう」という読みが働き、買おうという気になる。
そう判断する投資家があちこちから集まってくるにつれ、上昇相場の機運はどんどん高まっていく。
よく買い材料とかいうが、株価が上昇しているという現実が最大の買い材料である。
証券会社などが買い推奨レポートを出してくるが、ほとんどが上昇相場を裏付けたり、一層の買いを煽る役割を果たすだけのもの。
だから、最近のような下げ基調の相場動向下で、堂々と買いを主張する骨太の銘柄レポートなど皆無である。
戻るが、大半の投資家は上昇相場に乗っかっていることが投資収益につながると信じて疑わない。
したがって、上昇相場が続く限り強気のスタンスを崩さないが、それでいて下げに転じたら即座に逃げようという心構えでいる。
そういった、いつでも逃げるぞの心理が投資家の間で徐々に膨れ上がっていくと、さしもの上昇相場にも翳りが見えてくる。
そして、なにかの悪材料を機に急落相場となる。 実際は熟した柿が木から落ちるようなものだが、いつの暴落相場でもなにかの悪材料がきっかけとなる。
面白いのは、ここからである。 相場が下げ基調となるにつれ、投資家の間で損失回避の心理がみるみる大きくなっていく。
ひとたび損失回避の心理が顔を出してくると、もっと下がるのではの疑心暗鬼は横へ横へと広がっていく。
その結果、過剰な売りが出ることもしばしばである。 そこが、われわれ長期投資家の狙い目である。
相場全体がストーンと下げていて、そこからさらに売られるとなると、思わぬ安値買いができる。
といっても、マスコミが大暴落と報道するような大幅下げなんて、ほんの瞬間である。
買い注文を出している運用サイドからすると、期待したほどの株数を買えないケースが多い。
そんなわけで、結果的に大きな下げ相場となる場合でも、早め早めに買いを入れていかないと、十分に買い仕込めないことにもなりかねない。
したがって、さわかみファンドのような本格派の長期保有型投信では、下げ相場になればなるほど顧客資金の流入が前倒しで欲しい。
新規資金がどんどん入ってくれば、運用サイドも早め早めに買いを入れていける。 大きな下げ相場で、たっぷりと買い仕込んでおくことが、将来の運用成績につながっていく。
まさに、さわかみファンド設定当初からいっている、「良い投資運用は、良い投資家顧客とともに」である。