かなり前に、この表題で書いたことがある。 たしか、いまのような荒れ模様の投資環境の時だ。
いや、いま以上に荒れていた時かもしれない。 投資環境のみならず、経済活動全般が浮足立っていた時だろう。
国語辞典には、はやい風が吹いて、はじめて強い草が見分けられるように、厳しい試練にあってはじめて意思や節操の堅固な人間であることがわかる、とある。
マーケットが荒れれば荒れるほど、相場に群がり踊っていた人達が吹き飛ばされて、筋の通った本物の投資家が際立ってくる。
この1週間ほど、トルコリラが売られたりで新興国経済に冷や水を浴びせられ、世界のマーケットは荒れ模様となった。
荒れ模様といっても、まだ大したことない。 それでも、われわれ長期投資家は「いよいよ、面白くなってくるぞ」と、ほくそ笑んでいる。
株価の乱高下に歓迎ムードとは、不謹慎と思われるかもしれないが、まさに「疾風に勁草を知る」である。
ダブダブの資金を背景にして、ただ同然の資金コストでマネーゲームに踊り狂ってきた投資家(?)達は、これから試練にさらされる。
金利が上がるにつれて、彼らの資金源は細っていくし、マネーゲームのコストも急上昇する。
その過程で、大きく売られるものと、しぶとく残るものとが、はっきり分かれてくる。
この振るい落としが激しくなればなるほど、世界のマーケットは大荒れしていると報道されるわけだ。
なんのことはない、本物すなわち価値ある投資対象だけが残っていくだけのこと。
これから、荒れれば荒れるほど、われわれ本物の長期投資家は世の評価を高めていこう。