昨日の長期投資家日記にも絡んでくるが、日本経済は高度成長期を経て相当に地力を蓄えた。
80年代の終わりごろから経済が成熟化しだしたが、それからずっと日本経済の運営は迷走をつづけ、せっかく蓄えた地力をずいぶんと食い潰してきた。
先ずは、80年代後半の土地や株式へのバブル投機を放置し、バブル崩壊後は過剰なまでのバブル潰しで資産デフレを呼び込んだ。
資産デフレによる景気低迷が、日本経済全体をデフレ状況に追い込んだ。
これはマズイということで、92年の9月からは超低金利政策を導入して、家計から利子所得を奪いはじめた。
それ以降は今日に至るまで、ずっと年間30兆円から40兆円の利子所得を家計から奪い続けている。
奪われた利子所得の半分が消費にまわるだけでも、日本経済は毎年2.9%~3.9%の成長ができたはず。
個人消費という最大の成長要因を押しつぶして、日本は相も変わらず生産性の伸びがないとか企業中心の成長論議を続けている。
ゼロ金利やマイナス金利で、どれだけ家計の利子所得を奪ってきたか。 金利を正常化させるだけでも、消費も成長率も伸びるというのに。
一方、その間に国の借金は1000兆円を超えたし、日銀の国債保有額は総発行残高の40数%にまで高まっている。
国の財政赤字は20年以上も続いているし、予算の40%前後を国債発行で賄うという、恐ろしいまでの綱渡り財政に踏み切ってもう17年だ。
やることなすことピンボケ政策の繰り返しばかり。 それでも、まだ日本経済はなんとかなっている。
すごい地力である。 とはいえ、日本経済の地力にだって限界は来る。 その時は、ガラガラポンの大混乱となろう。
IMFなど世界に救済を求めるのが嫌なら、一刻も早く大鉈を振るって日本経済の立て直しを図るべきである。
具体的には、金利を正常化させる。 それでもって、金利コストを意識したまともな経済活動を促進させ、利子所得の増加で個人消費を高めさせる。
返す刀で、医療や年金など社会保障費の大幅減額か、消費税の15%~20%への引き上げか、どちらかの選択を国民に迫る。
利権や既得権の巣窟ともなっている、補助金や租税特別措置の適用を徹底的に洗い直す。
これらを一気にやってしまえば、3年ぐらいの混乱を経て日本経済も財政運営も見違えるほどに健全となろう。
なにもせず、ガラガラポンとなったら? おそらく収拾のつかない混乱を続けた挙げ句、最終的には IMFなどが上記の大改革を迫ることになろう。