愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

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ドイツの名宰相ビスマルクが言ったといわれているのが、上記の言葉である。

政治の世界において歴史に学ぶことの重要さは、よく理解できる。

古代ギリシアの民主政治から始まって、幾度となく寡頭政治や独裁政治への揺り戻しがあったりと、統治形態は変転きわまりない。

そんな中で、その時々の政治リーダーがどんな行動をしたかの点で、己の経験に頼った者は限界をさらけ出している。

一方、歴史に多くを学んだリーダーは、いろいろな局面でより柔軟で普遍性のある行動をしている。

さて、長期投資に当てはめると、この教えはどうなるのだろう?

世の中なにが起ころうと、変わらないものは変わらない。 多くの人々の毎日の生活は、どんなことがあっても続いていく。

その点は、歴史に学ぶというよりは、歴史の教える当たり前の当たり前である。

どんなに時代が変わろうと、人々の毎日の生活といった当たり前の当たり前を、長期投資のベースにしない理由はない。

なにがあっても変わらない事象を土台にして、長期投資のシナリオを組み立てることで、どっしりとした運用ができる。

その上で、変わっていく事象を先取りするのだ。 先取りするにしても、歴史に学ぶことは多々ある。

たとえば、AI 万能の社会が実現するといわれているが、さて一般生活者がどこまでついてこれるものか。

そう考えると、AI という投資テーマに関しては、ある程度のブレーキを掛けながらの対応となる。

このブレーキをかけるという感覚も、これまた歴史あるいは長い経験から学ぶものである。

長ったらしいことを書いてきたが、最近のトランプ大統領がどうのとか、貿易戦争がこうのとかで、マーケットは警戒気味となっているからだ。

そんな目先の現象など、われわれ長期投資家にとってはどうでもいいこと。

大きく下がれば、しっかり買っておくだけだ。 大事なのは、なにを買うかで、まさに歴史に学ぶところ多々ある。