昨日、長期金利が0.09%にまで跳ね上がった。 その寸前までの0.04%から比べると、たしかに急騰である。
とはいえ、いずれ訪れるであろう金利急騰局面からすると、まだまだ序の口にも行っていない。
いずれは、3%5%そして一時的には8%ぐらいにまで、文字通りの急騰に見舞われよう。
どうしてかって? 債券の売りが殺到するから、それに反比例して市場金利はピンポン玉のように跳ね上がっていくからさ。
債券の値崩れが始まると、あちこちから保有債券の売りが出てくる。 売りが売りを呼んで、債券価格はどんどん下がっていく。
それは、市場金利のスパイラル上昇につながっていく。 そして、市場金利の上昇が更なる債券売りを誘うことになる。
ひとたび、この悪循環に陥ると債券投資家は地獄を見ることになる。 売るに売れない、売れないままモタモタしていると、債券投資の評価損が急拡大する。 まさに地獄である。
債券相場はいつも一方通行的な展開となる。 とりわけ値崩れ局面では、売るに売れないまま価格は急落していき、長期金利はあっという間に急騰する。
そんなこと信じられない? 債券投資は安全といわれてきたはずなのに?
それは、たまたま1983年から直近まで、歴史上に例を見ないほど長期間にわたって、債券の上昇相場が続いたからのこと。
ちなみに、1970年はじめから80年代の前半にかけて、米国の10年物長期金利はひんぱんに10%を超え、瞬間16%をつけた。
あの頃の債券相場はボロボロだった。 ただ同然の債券が紙切れのように市場の中を舞っていたものだ。
債券の下げ相場は一度はじまると、止めどもない悪循環となって地獄絵のようになっていく。
昨日の長期金利急騰は、ほんの走りともいえる、髪の毛ほどの恐怖感が市場を席捲しただけのこと。
はっきりしているのは、これだけの超低金利が続き、債券価格は天井圏に張り付いてきた。
もうほとんど値上がり期待をもてない債券投資からは、一刻も早くおさらばすることだ。 そうすれば、地獄を見なくて済む。
そして、長期の株式投資にどんどんシフトしておこう。 これをグレートローテーションというが、債券市場から株式市場への歴史的かつ世界的な資金シフトだ。