生活者株主

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21世紀に入って、早や18年目になる。 20世紀は工業化とグローバル化で象徴されたが、21世紀は脱工業化と情報化が主流となるといわれている。

それとは別に、生活者株主という概念が重要なテーマとなってくるのは間違いない。

最近しばしば資本主義の終焉とか限界とかいわれるが、それを乗り越えるには一般生活者が企業のオーナーとして前面に出てくるしかない。

民主主義は欠陥だらけだが、それを上回る政治統治形態はない。 同様に、資本主義は行き着くところまで行ってしまったが、それに取って代わる経済システムもない。

どちらの問題に対しても、われわれ一般生活者が解決の鍵を握っている。 いわゆる民度を高めるということだ。

民主主義の立て直しは、政治家の選び直しから始めるしかない。 清き一票をと叫ぶだけの政治屋を排除し、50年100年後の青写真をしっかり語りかける政治家らしい政治家を、みなで求めることだ。

資本主義をマネーの横暴から脱却させるには、われわれ一般生活者が長期投資でもって、どんどん企業の株主になっていくことだ。

現在、企業を短期指向の経営に追いやっているのは、機関投資家やヘッジファンドそして投資ファンドといったところ。

彼らに資金を手供しているのは、年金や預貯金マネーである。 そう、元の資金の出し手は、われわれ一般生活者なのだ。

であるならば、われわれ一般生活者が認識と意識を高めて、資金を出す方向を変えてしまえばいいだけの話。

さすがに年金は国の制度だから、一般個人が勝手にはできない。 一方、預貯金マネーは持ち主である個人個人が好きにできる。

だったら、それを長期投資にまわせばどうなるのか? 個人の預貯金マネーの5%ほどが長期投資にまわれば、それだけで公的年金の株式運用額を凌駕するのだ。

したがって、われわれ一般生活者が持っている預貯金マネーを長期投資にまわしていけば、とんでもない力を発揮できるはず。

そこらあたりを、もっともっと考えていこうではないか。 この長期投資家日記でも、これから繰り返しテーマに取り上げよう。

そして、世界で最も預貯金指向が高い日本が先鞭をつけようではないか。 生活者株主問う概念でもって資本主義の新しい柱になっていくのだ。