人口の減少と日本の活力

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日本の人口は1億2500万人台まで減ってきた。 ピークからは、200万人の減少だ。

このままいくと、2050年には1億人の大台を割り込むともいわれている。

それだけ、日本の経済力も日本全体の活力も下がっていくとする声も、ひんぱんに聞こえてくる。

冗談ではないよと言いたい。 やり方次第では、そのような懸念などいくらでも吹き飛ばせる。

先ずは、基本的な認識を整理しておこう。 いま日本は世界10番目の人口大国である。

その順位は、2050年には世界16~17番目に下がるものの、相変わらずの堂々たる人口大国である。

ちなみに、いまドイツは元気一杯だが、人口は8000万人台に過ぎない。 となると、2050年に1億人前後を擁する日本は、現在のドイツを上回る活力にあふれていておかしくない。

次に、人口が減る減ると騒ぐが、そのスピードは年率にして0.4%にすぎない。

かりに、人口が減る分だけ経済が縮小するとしても、同じペースで貧しくなるなんて誰も願わない。

自分だけでも現在以上の生活水準は確保しようと、皆それぞれ頑張る。 経済は生きものだというのは、まさにこのことである。

すなわち、人口が年率0.4%で減っていくとしても、経済の縮小スピードはそれよりずっと少ないものになる。

多くの人々の抵抗と自助努力で、経済規模は縮小どころか、拡大だってあり得るのだ。

三番目に、経済規模はつかわれているお金の量と、そのスピードとの掛け算である。

となると、人口が減っていったとしても、国内で動きまわるお金の量が増え続ければ、経済はいくらでも拡大成長する。

であれば、日本人が日々の生活で必要な消費を上回って、お金をつかう道をどんどん見つけだせばいいはず。

つまり、モノへの消費を超えて、生活の質を高める方向でお金をつかうということに慣れていけば、そこに新しい産業が生まれてくる。

そう、文化・教育・芸術・スポーツ・技術・寄附・NPO・ボランティアといった分野が、大きな産業となっていくのだ。

そこでは、活力あふれる経済活動が展開されるはず。 ちなみに、870兆円ある預貯金のたった3%が、こういった分野に流れ込めば、どうなるか?

もうそれだけで、日本経済は5%成長するのだ。 結果として、国民全体の所得増加につながっていく。

そう、お金を預貯金に寝かせるのではなく、「どんどん世の中にまわしていく文化」を醸成すれば、日本経済はいくらでも拡大成長するのだ。