先週、「資産運用立国を唱えるならば」で書いた、投信のプラットフォーム会社について。
日本には、運用会社と名乗っているところは山ほどあるが、どれもこれもビジネス利益を狙ったもの。
投資家顧客のための資産運用サービスを、どこまで全うできるかとなると、きわめて怪しい。
もっとも、マーケットの価格変動を追いかけては、値ざや稼ぎのドッタンバッタンを顧客の一緒にやってはいる。
そんなもの、資産運用ビジネスとは程遠いもいいところ。 すべてはマーケット次第で、資産形成とは無縁である。
あるいは、投信を販売手数料稼ぎの道具として、大量設定・大量解約・野たれ死にを延々と繰り返してきた。
その結果、投信の本数は6000本を超え、上場会社の数よりはるかに多いのが現状である。
真に、10年はおろか20年30年と資産形成をお手伝いしようとする運用会社は、皆無といっていい。
だから、われわれは仲間に声をかけては、次々と直販の投信会社を世に出してきたわけだ。
そこで一番苦労しているのが、顧客口座の管理業務全般である。
個人投資家の長期の資産形成をお手伝いしようと意気込んでも、思い切り力を発揮できるのは運用までだ。
もともと、投資運用業務そのものは、ごく少人数でもやっていける。
資産運用ビジネスは、運用実績でもって投資家顧客の安心と信頼感を高めていくもの。
投信の販売も、打ち出している運用の方向性と、積み上がってきた運用実績でもって、いくらでも伸ばせる。
一方、顧客口座などの事務管理業務全般となると、システム化や法令順守などで途方もなくコストがかかる。
それらの作業を外出しして、一括して引き受けてくれるプラットフォーム会社があれば、どんなに素晴らしいか。
我こそはの運用者たちが、どんどん公募の投信ファンドの旗を揚げられる。
そして、得意とする運用でもって実績を積み上げ、少しずつかつ尻上がりに投信販売を伸ばしていけばいい。
そう、投信顧客口座の管理業務などはプラットフォーム会社にお任せで、どんどん運用実績の競争をさせるのだ。
投信は誰でも、たとえば1万円から資産形成の運用サービスを受けられる、きわめてすぐれた仕組みである。
それもあって、まともな投信が運用実績を積み上げてくれば、投信の顧客口座が1000万2000万に増やしていける。
その過程で、運用者たちを鍛えられるし、我こそはの運用者たちをどんどん輩出できる。
まさに、資産運用立国の道を切り開いていけるわけだ。