アクティブ運用の大復活(続編)

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個人投資家も機関投資家も株式投資に関しては、本来の姿に戻っていくと昨日書いた。

すなわち、個々の企業を丁寧に調査分析した上で、投資していくスタイルに戻るわけだ。

さらっと書いたが、これはそう簡単なことではない。 そのあたりを、今日は書いてみよう。

① 儲かりそうな銘柄を見つければいいんだろう?

いわゆる、マーケットで人気化するであろう銘柄を見つけて、早めに買っておこうとする株式投資だ。

これは、相場追いかけ型のディーリング運用の延長線上でしかなく、本当の意味での株式投資ではない。

個人の株式投資は、このスタイルが大半。 それもあって、マネー雑誌が氾濫するわけだ。

残念ながら、これだと遅い。 また、当たりはずれが多すぎる。 よほど大きな上昇相場に出くわせば別だが、そう上手くはいかない。

② アナリストやファンドマネージャーを育てるのに、最低でも7~8年はかかる。

これは、機関投資家の多くがこれから直面するであろう大きな問題となってくる。

いまや、世界の機関投資家の大半がインデックス運用など、コンピュータ運用が主体の体制にシフトしてしまった。

個別企業の調査チームはとうの昔に解散してしまったし、ファンドマネージャーもコンピュータ画面を眺めるオペレーターに代わられてしまった。

いざ、アクティブ運用が復活するとなっても、企業分析はできないは、個別株投資のポートフォリオ作成もできないはの機関投資家ばかりとなるのは必定。

さらに、やっかいなのは、アクティブ運用はそれなりのコストがかかる。

信託報酬の引き下げ競争だとかに走ってきた運用会社は、コスト増にとても耐えられないだろう。

③ 長期投資の醍醐味を知らない。 株価を追いかけてはの値ざや稼ぎをしてきた投資家は、大きな投資リターンを手にしたことがない。

われわれ長期投資家は、これはと思う企業を応援しようと、皆が売りまくっている時ほど気合を入れて買いまくる。

時がたって、経済状況や投資環境が良くなってくると、株価は大きく値上がりをしだす。

にわか応援団がずいぶんと多くなってきたなと思えるようになってきた段階から、応援を彼らにまかせようと薄く薄く売り上がっていく。

暴落時に買っておいたから、売り上がっていったら、3倍とか5倍の投資収益となった。

しばしば、10倍になってしまったということも経験できる。 これが、長期投資の醍醐味である。

個人投資家も機関投資家も、先ず経験できない投資リターンを、ごく自然体で手にしてしまえるのだ。

一度でも、そういった経験をすると、必死に相場を追いかけるディーリング運用など、もう見向きもしなくなる。

逆いうと、そういった長期投資の醍醐味を経験してはじめて、本当の意味での株式投資の素晴らしさを実感するのだ。