どんな上昇相場も一本調子で上がっていくことはない。 幾度となく振るい落としの場面を繰り返して、残るものが残っていく図式を強めながら、結果として大きな上昇相場を演じることになる。
日本株市場もそろそろ振るい落としの段階に入っていくのだろう。 ここまでは、アベノミクスを歓迎して全面高の様相を呈してきたが、その熱気だけでは上昇相場がいつまでも続くことはない。 やはり、上がるべきものは上がり、一時的な上昇で終わるものは脱落していくのが、自然の姿。
投資家も同様に振るい落とされていく。 昨年末からの戻り相場に元気を取り戻しただけの投資家は、ここからしばらく調整相場が続くとなったら、もう浮き足立ってくる。 われわれ長期投資家のように、下げたら買い増しするだけよなんて腹の据わりようはない。
これからは、企業選別の動きが鮮明になっていこう。 ただ円安を囃しただけの株高は、もういいところまで来た。 ここからは、円高の時にやるべきことをやってきた企業が、円安のメリットを大いに享受することになる。
同時に、わっと買い群がった目先張りの投資家は利益確定とかいって、マーケットから散っていく。 そして、次の上昇相場の足取りがはっきりしてきたら、またぞろドドッと買い群がってくることになろう。
もう、おわかりだろう。 相場の調整局面というのは、竹の節みたいなもので、大きく伸びていくためには不可欠な現象である。 企業も投資家も選別されて、残るものは残っていく。
さあ、今週はちょっと見ものだ。 ふわっと強気になっただけ多くの投資家と、われわれ長期投資家とがはっきりする相場展開となるのかもしれない。
もし、しばらく値固めの調整相場が続くなら、昨年までの円高でやるべきことをやってきた企業の絶好の拾い場となる。 いずれ業績向上に裏打ちされて、次の上昇相場の主役となっていくはず。