今日の金融政策決定会合で、日銀は長期金利の上限0.5%を一時的に超えるのを容認するとか。
朝から、そんな情報が流れて、円は大幅に上昇し、株価は大きく下げている。
午後になれば、どんな指針が打ち出されるのかは、はっきりするのだろう。
まあ、どっちにしても日本の金利は上がっていくしかない。
たとえ日銀が、YCC(イールドカーブ・コントロール)で長期金利の上昇を抑え込む政策を続けたところでもだ。
米国の政策金利は5.25%に引き上げられたし、10年物国債の利回り、つまり長期金利は4%台となっている。
日米で、長期金利の差がなんと3.5%幅にも拡大してしまっているのだ。
となれば、「日本の国債を売って、米国債に乗り換えよう」と、誰だって考える。
そんなもの、経済活動の常識である。 ということは、日本の国債を売ろうとする動きは誰も止められない。
日本の国債を売ることは、国債の値下がり、すなわち長期金利の上昇を引き起こす。
この当たり前の経済現象を、前任の黒田総裁はYCCで徹底的に圧し潰してきた。
市場での国債売りを日銀が無制限に買い取ることで、国債の値下がりを押しとどめてきたわけだ。
その結果、日銀は国債総発行量の54%を保有するに至り、財務規模は日本のGDPの1.3倍にまで膨れ上がった。
経済合理性を無視した強引な政策の結果、日銀自身が金利上昇で債務超過に追い込まれかねなくなってきた。
いまや日銀は金利上昇を政策的にも、日銀の財務問題としても容認できない、なんとも苦しい立場にあるのだ。
そうはいっても、日米の金利差3.5%は現実である。 日本のマネーが米国に吸い寄せられるのは止めようがない。
また、マーケットもそれを見逃さない。 どんどん日本売りを仕掛けてくるだろう。
どれもこれも、ごく当たり前の経済現象である。 つまり、日本の金利は上がっていくに決まっている。
われわれ本格派の長期投資家は、ずっと前から金利上昇を読み込んできたから、その対策は万全である。
そう、いつ金利上昇が債券売りの連鎖を引き起こし、株価が大幅下げとなっても構わない。
大きく下げた頃合いを見て、大バーゲンハンティングに出る準備も万端である。