マーケット変調か?

Browse By

多くの投資家がマーケットの先行きに自信を持てなくなってきているのではなかろうか。

まだまだカネ余りの投資環境は続いている。 それで、なにか買いのポジションは保っていきたい。

現に、世界の株式市場も債券市場も崩れそうでいて、案外としぶとく頑張っている。

とはいえ、どこかで大きく下がるのではないかといった不安感も、静かに高まっている。

さて、どうしたら良いものか。 日本だけでなく、世界の多くの投資家が悩ましい心理状態にあるようだ。

それが、株式市場をはじめとして、マーケットの変調となって表面化してきている。

一方、われわれ本格派の長期投資家からすると、そうなって当然の方向へ進んでいるだけのこと。

つまり、変調とかいわれる要因のひとつひとつが、きっちりと説明できるわけだ。

たとえば、世界的なインフレ圧力は構造的なコストプッシュ型である。

もとをただせば、70年代の石油ショックに対応したカネのばら撒きにはじまる。

いわゆる過剰流動性をずっと続けてきた、それもリーマンショックやコロナで、どんどん深掘りしてきた。

お金を大量に供給すれば、インフレになるのは教科書に書いてある通り。

たまたま世界経済のグローバル化が進展していった。 それによるコストダウンがインフレなき経済成長を支えた。

そのグローバル化だが、コロナ問題や米中貿易摩擦、ウクライナ侵攻など地政学的なリスクの高まりで、ブレーキがかかった。

それを待ってましたかのように、インフレの火が燃え上がってきたわけだ。

インフレが台頭してくれば、それを抑えようとして金利上昇を招くのは必然である。

どちらも経済の現場からの刃であって、その刃が金融緩和で膨らませてきた張りぼての経済に突き刺さっていく。

それが、先ずは金融マーケットを不安定にさせる。 現に、米銀の破綻やクレディスイスの身売りとなって表面化した。

いずれ、インフレや金利上昇が企業経営を圧迫し、株価や債券価格の下落につながっていく。

それらが金融マーケットの崩落を招き、先進国中心に膨らませてきた張りぼて経済をズタズタにする。

大変な混乱が襲ってくるのは免れないが、どれもこれも経済の健全化には避けて通れない道である。

経済の健全化? そう、金利というものが存在し、実体経済をベースとした価格形成に戻っていくのだ。

まさに、われわれ本格派の長期投資家が本領発揮する展開だ。