2008年9月のリーマンショックの時を思い起こすに、1年ほど前からマーケットはくすぶりだしていた。
昨今の状況も、あの当時に似ている。 世界の株式市場も債券市場も新高値を狙う勢いは、もうない。
なのに、機関投資家はじめ金融関係者はマーケットにしがみついて、いまだ儲けを狙っている。
その横で、経済の現場や金融界では、変調を物語るニュースが相次いでいる。
現に、アマゾンなど、この世の春を謳歌してきたハイテック企業が相次いで人員削減を発表しだした。
金融界でも、ゴールドマンサックスはじめ多くの大手が、やはり人員削減に走っている。
これらのどれも、マーケットの先行きを警戒しての戦線縮小である。
リーマンショックの前夜も同じような展開だった。 それ行けどんどんの熱気は急速にしぼんでいた。
同時並行して、企業や金融機関の不調を示唆するニュースが相次いでいた。
その延長線上で、リーマンブラザーズという老舗の証券会社が倒産したわけだ。
今も、中国の不動産業界や、インドの新興財閥アダニ・グループに急拡大の重荷がのしかかってきている。
そういった苦しい経営に追われている企業のどこかがグラッときたら、次なるショック到来となる。
ここまで空前といわれた規模のマネー供給でもって買い上げてきたマーケットだ。
いったん下げに入っての投げ売りは、これまた空前絶後の大きさとなろう。
金融マーケット全般で、凄まじい売りラッシュとなるが、あまりの売りの大きさに収拾のつかない暴落相場が続こう。
われわれ本格派の長期投資家はずっと、このバブル相場からは遠く離れるべしのスタンスを徹底してきた。
それもあって、いまだマーケットにしがみついている機関投資家たちを、これから大変だろうなと眺めている。
ともあれ、このカネあまりバブルは、どうせ崩れるのだ。 だったら、早い方がいい。
その分だけ、大暴落後の新しいマーケット展開も前倒しで見えてくる。
新しいマーケット展開? そう、金利もある程度のレベルに戻った健全なる経済活動をベースとしたマーケット展開だ。
金融金融で突っ走ってきたメガトレンドが終わり、実体経済をベースとしたマーケットの復活だ。
われわれ本格派の長期投資家にとっては、待ってましたの展開である。