この2週間、株価はずっと低落トレンドにあったが、昨日は派手に下げてくれた。 米国株も一時は1000ドルを超す大幅下げとなった。
その背景には、中国株市場の大崩れが中国経済の先行きへの警戒感を高めているとか、世界経済の成長スローダウンにつながるとか、いろいろ言われている。
いつの株価暴落でも、その背景はいくらでも語れる。 それよりも大事なのは、株価が大きく下がっているという現実である。
3週間前と比べるに、20%前後も下がった株式がゴロゴロしているのだ。 銘柄によってはもっと下がっているのも多々ある。 この大バーゲンセールで買いを考えない理由はない。
よく考えたらわかるが、中国経済を含め世界経済の見通しが良くなってきたのを確認してからでは遅い。 その頃には、株価全般は大きく値上がりしてしまっている。
投資家であるならば、株価が上がる前に買い出動するのが当然のこと。 ところが、多くの投資家はそれができない。 ただ暴落相場に脅えるばかり。
なぜか? 目先の株価下落に対する恐怖心が投資家をすくませてしまうのだ。 このまま株価が下落をたどり、場合によっては紙切れになってしまうのでは、といった不安感で頭の中が一杯になってしまうからだ。
これが暴落相場における投資家心理である。 それにつける薬はない。 大半の投資家は、売りの勢いが衰えてきて株価下落がごく自然体で底入れし、上昇に転じるのを確認するまでは様子見を決め込む。
われわれ長期投資家は違う。 3週間前までの株価上昇トレンドには、「いいぞ、この調子でどんどん上がってくれ」といって、ゆったりと乗っかっていた。 その前にたっぷりと買い仕込んでいたから、多くの投資家がガツガツ買ってくるのを歓迎しながら眺めていた。
ただ、ここまで下がると気合が入ってくる。 あなたの周りを見回しても、多くの企業が夏休みもなく頑張っている。 それなのに、株価だけがボロボロに売られているのだ。
頑張ってくれている企業を応援しない理由はない。 毎日の生活消費で企業の売り上げに貢献するのは当然として、いまは株を買って株主になるという応援が問われている。
なぜ株主になるのかって? 多くの投資家が企業を見捨てているからだ。 もう株主の座はごめんとばかり、保有株を叩き売っているからだ。 ただ株価が下がったという理由だけでね。
長期投資家は株価を応援するわけではない。 企業を応援するのだ。 それには、株価が安い時ほど株主になって応援の意思を強く表明するのが一番である。
応援するにあたって、その企業の株価が紙切れになるなんて想定は念頭にない。 それよりも、「こんなに頑張っている会社なのに、よくもまあ叩き売ってくれることよ」と、より強く応援したくなるものだ。
そんな長期投資家の代表格であるさわかみファンドに、いまここで1千億円でも1兆円でも軍資金が届けられるとありがたい。 真打の応援団ここにありといった買いを、運用担当の草刈が存分に見せてくれることだろう。