生活者投資家と企業との接点

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 企業にとって株主はオーナーであり、絶対的な存在である。 株主が経営者というオーナー企業もあるが、一般的には株主が経営陣を選び会社の運営全般を任せる。 その目的は事業の永続的な発展と、そこから得られる利潤の最大化である。

 ただ、株主といっても多種多様である。 上に書いた資本家的な株主が、教科書に出てくる株主である。 しかし、それ以外にも短期投資家やデイトレーダーといった、一時限りの株主も一杯いる。

 極め付きは、ヘッジファンドやアクティビストといわれる投資家集団だろう。 彼らは株価動向を追いかけては値ざやを抜くことで、自己利益を追求しようとする一時的な株主にすぎない。 それなのに、最近は企業経営に大きな影響力を及ぼす存在となってきている。

 多くの企業にとって、自社のオーナーであり経営を支えてくれる株主の存在は絶対である。 さはさりながら、一時限りの株主が短期間でたっぷりと現金をせしめようとして、経営にあれこれ関与してくるのは悩ましい話である。

 彼ら一時の利益を狙ってやまない連中が、儲かっていない事業部門を売却せよとか、どこどこと合併せよと迫ってくるのは、マスコミ受けすることもあって意外と大きな圧力となってしまう。

 それが、100年一日のごとく眠っているような企業であれば、格好の刺激となる。 しかし、多くの企業にとっては長期の経営戦略をガタガタにしかねないケースも多々ある。

 とはいえ、株式を上場している以上は、そういった株主の登場を阻止することはできない。 昔なら多数の株式を取得して、議決権行使に訴えた。 最近は、数%の株式保有でもマスコミを動員することで、株主利益という錦の御旗を振り回して企業に圧力をかけるのが一般的となってきた。

 そこで重要になってくるのが、いつもいっている生活者株主の登場である。 われわれ一般生活者からみて、なくなっては困る企業を応援しようというのが、長期投資のそもそもである。 その同一線上に、企業の長期経営を安定的に応援していくという大事な役割が浮かび上がってくる。

 この関係性を広く世の中に訴え、なおかつ生活者株主をどんどん増やしていくことが、われわれにとって大きな挑戦である。 それが企業にとっても、日本経済にとっても、どれだけ大事なことかは後の歴史が証明してくれるだろう。

 ともあれ、先ずは行動である。 その第一弾が、9月20日のパシフィコ横浜での運用報告会である。 もう既に、3000名近い参加者申し込みとなっている。 これからもっと増えるだろうが、そこへ組み入れ企業32社の参加が決まっている。 大盛況となろう、楽しみである。