さわかみファンドのことを宣伝するわけではないが、いま日本でこれほど将来に向けて安心できる資産準備の器はないと確信している。 年金など制度の制約はないし、本格的な長期投資をブレルことなく推し進めているし、その運営を担うさわかみ投信の経営に外部株主などの干渉を受けることもない。
そういった体制を確立してきているが故に、たとえば自分なんかも大してない資産の96%は、長期航海船さわかみファンド丸に乗せて安心しきっている。 残るは、直販ファンドとささやかな預金だけだ。
これから先、いろいろな問題が噴き出てくるのは避けようがない。 アベノミクスによる成長戦略の進展と競うようにして、生活を脅かす題材は目白押しである。 それらを想定するに、さわかみファンドの本格的な長期投資はますます真価を発揮することになろう。
たとえば、国の財政赤字の深刻化と既に1000兆円を超す借金を抱える先進国で最悪の状況下で、さらなる国債発行の消化難や既発国債の値崩れ懸念はどんどん高まっている。 いつどこで国債売りが集中して、長期金利が急上昇するか知れたものではない。
そうなった時、金融マーケットや経済の現場は相当に大きな混乱で右往左往しよう。 われわれ長期投資家はその辺りは読み込み済で、かりに相場暴落あらば断固たる買いを入れられる。
一方、年金はじめ金融機関の多くは国債を大量に保有しており、国債相場が崩れ行くのを横目に売るに売れないは、評価損はどんどん膨れ上がるはの二重苦に陥る。 それでなくても深刻化している年金財政だ、相当に厳しい事態に直面しよう。
おそらくだが、長期金利の上昇を引き金にして、少なくとも一部の物価は急騰しよう。 そうなると、デフレ経済でのんびりしてきた高齢者層や預貯金一本やりの人達は大慌てとなる。 長期投資していたわれわれと、なにもせずユデガエルの道をたどっている人たちとの差は大きく開こう。
こう書いてくると、そんなこと果たして起こるのと思われるかもしれない。 だから、表題を真夏の夜の夢としてみた。 とはいえ、マグマは日を追うごとに溜まっていっているのは、誰も否定できない現実である。
もう一つの現実は、上に書いた事態が襲来しても国は何もできないということだ。 それどころか、国自身が右往左往の混乱で醜態をさらすことになろう。
そうなってから、さわかみファンドを買っておけば良かったと評価が高まるのでは、ちょっぴり残念でもある。 今のうちから乗船してもらう方が、一緒に荒波を乗り切っていけて連帯意識も高まるのだが。
いつも書いているように、長期投資は生活者と企業とをつなぐもので、世の中で何があってもなくならない価値を追い求める。 それが故に、一番確実で安心できるのだ。