人々の間で株式投資への関心が高まってきている。 この1年間の株高もあって、株価がそんなに上がるのなら自分も株式投資しなくってはと誘い出されている感じも多分にある。
しかし、もっと広範囲もっと根深いところで、株式投資してみようかという動きが出てきていると思われる。 一番の動機は、年金の将来に対する不安だろう。
毎週末、全国各地でセミナーや勉強会をやっているが、毎回はじめに会場の皆さんに尋ねてみるのが、年金に対してどう思いますかということ。 ほとんど全員の参加者が、”不安だ。 当てにできそうにない” で一斉に手を挙げられる。
次の質問。 ”年金は当てにできないと思っている皆さん方の中で、だからこういった準備をしているよと、はっきり言える方はどれだけいますか?” と尋ねてみる。 今度は、一人か二人が手を挙げる程度。
年金は当てにできそうにないと分かっているが、それでいて何も対策を講じないまま時を過ごすうちに、定年と老後の人生は着々と迫ってくる。 やはり、なんかしておかなくてはいけない。 そう考える人がどんどん増えているのだろう。 だから、最近のセミナーには参加者がずいぶん増えているし、とりわけ若い人たちが多くなっている。
良い傾向である。 年金を当てにしない方が賢い、それは考えるまでもないこと。 なにしろ、日本はじめ年金制度が充実している先進国はどこも高齢化で、毎年の積立額よりも年金の給付額の方が多くなっている。 年金積立ての原資が徐々に取り崩されていく方向にあるのだ。
よほど年金の運用成績を高めない限り、加入者一人あたりへの給付額は減らさざるを得ない。 それが故に、5年ごとの年金改正で年金給付の条件がどんどん厳しくなっているではないか。
では、どう自分年金づくりを考えていくか? その一つとして、株式投資への関心の高まりがあるのは間違いない。 預貯金に置いておいても、年0.02%にしかまわらない。 やったことないけど、思い切って株式投資や投信を始めてみようか。
こういった動きは大歓迎である。 とにかく動いてみることだ。 預貯金を抱えたまま思考停止状態に陥っているよりも、ほんのちょっとでも株を買ったり投信を購入すれば、いろいろ分かってくる。
株式でも投信でも良いものを選ばなくてはならない。 自分の意思と判断が結果つまり投資運用の成績に表れてくるわけだから、だれもが慎重かつ真剣になる。 自分の大事な虎の子に自分の将来を託すわけだから、どんな投資をするか慎重かつ真剣になって当たり前。
そこで問われるのが、どんな株どんな投信が良いのかだ。 さしあたっては、ほとんどの人が証券など金融機関の営業やマスコミ情報で投資というものに触れることになろう。
ビギナーズラックも伴って一時的には上手くいったとしても、そう長くは続かない。 しばらくするうちに、本物の株式投資情報や本格派の投信を求める流れが奔流となっていくのは間違いない。 なにしろ、年金は当てにならないし、預貯金ではお金が殖えないのだから。
まあ、3年もしないうちに本物が脚光を浴びるようになっているだろう。 その時は、さわかみファンドの純資産額も1兆円を上回っているはず。