あれ、そういえば8月24日は過ぎていた! 先週まで、間もなく26年だと、あれほど意識していたのに。
それが、今週になってスポーンと抜け落ちていて、昨晩ふと気がついた。 思わず、苦笑い。
さわかみファンドが設定されて、もう26年になる。 26年もの運用実績を誇る、日本でも数少ない投信である。
数少ない? というのも、日本の投信業界ではずっと昔から「大量設定、大量解約、そして野たれ死に」でやってきた。
そういった野たれ死に状態の投信ファンドが山ほどある。 それで、さわかみファンドの26年も、かすんでしまう。
まともに長期運用してきて、まともに成績を積み上げてきた、日本でも超まれなファンドなのにね。
野たれ死にファンドの山? いってみれば、日本の投信業界に綿々と引き継がれてきた悪弊の残骸である。
どういうことか? 日本の投信ビジネスは、ずっと販売サイドの証券会社が仕切ってきた。
大手証券を中心に、その時々のマーケット人気の高い投資テーマを取り上げては、大々的な個人投資家営業を展開する。
近いうちに、この投資テーマの投信が新規設定されてガンガン買うから、その前にたっぷり買っておいてくださいと。
そして、予告通り系列の投信会社に新規投信を設定させて、そのファンドの大々的な販売活動を展開する。
それが、大量設定につながっていく。 主導するのは証券など販売サイドで、投信会社はそれに従うのみ。
新ファンドは設定後すぐフルインベストにもっていくよう、やはり販売サイドから要求される。
そのガンガンの買いでもって、先に営業していた個人投資家に向けて利益確定の機会を提供する。
そうこうしている間に、人気化していた投資テーマも峠を越えて、株価全般が下がりだす。
当然のことながら、新ファンドの基準価額はあっという間に1万円を大きく下回っていく。
そうなると、投資家顧客からの売りが殺到して、新ファンドは大量解約の嵐に遭遇する。
その先で、野たれ死に状態に沈んでいく。 この間、買って売っての運用をしていたのは、およそ3年弱。
運用というよりも、投資家人気に沿った銘柄を1か月ぐらいで買い仕込む。
しばらくして、解約が殺到しだしたら、それに応じた売り注文を出していく。 それをもって運用としてきた。
これが日本の投信業界に綿々と展開されてきた歴史であり、6000本を超す投信の大半が野たれ死にファンドという残骸の山を延々と築いてきたわけだ。
そういった悪弊を横に、さわかみファンドは堂々と26年間も本物の長期投資運用を展開してきたわけだ。
この輝かしき、超まれな実績はもっともっと評価されていい。