さわかみグループでは、「より良い社会をつくっていこう」を共通の理念として掲げている。
最近、地球環境の悪化や異常気象が人々の生活を脅かす度合いが、どんどん激しくなってきた。
それなど、良い社会をつくっていこうどころの話ではない。 まったく真逆の方向である。
こんな状況を放ったらかしにして、子どもたち次の世代に押し付けるわけにはいかない。
世の中を見まわすと、同様の「このままでは、マズイぞ」といいたくなるような問題が山積している。
そういったマズイぞを放置できないということで、国連が中心となってSDGsという行動目標が設定された。
SDGsでは、持続性のある社会発展のために目指すべく、17の具体的な行動指針を取り上げている。
それらをつぶさに見てみると、なんのことはない、本格的な長期投資を実践していけばいいだけのこと。
長期投資では、生活者にとって大事な企業を応援しようとする。 もうその段階で、企業の取捨選別がはじまっている。
やたらと利益極大化に走っていて、社会とか環境あるいは人道の意識などかけらもないような企業は結構ある。
そういった企業が株式市場でどれだけ人気を集めようと、どれだけ株価上昇の期待が持てようと、長期投資の対象とはならない。
生活者目線で厳しく企業を取捨選別する作業をずっと続ける過程で、SDGsの目標はおおむねクリアできていく。
それだけではない。 長期投資では儲けようとガツガツしないが、やることをやっておけば儲かってしまうものである。
それはそうだろう。 企業を応援しようと、皆が売りまくっている間に買い仕込み、皆がガツガツ買って来たら売り上がっていく。
その作業を繰り返していたら、「安く買っておいて、高くなるのを待って売る」投資の基本が自動的にできてしまう。
だから、「儲かってしまう」なのだ。 そういった長期投資を続けていれば、財産づくりは加速して進んでいく。
大きく膨れ上がっていく資産を背に、その余裕の一部を日々の生活にまわしていけば、すごく豊かな人生となっていく。
たとえば、すこし高くても無農薬の食材を買うことで健康促進を図れるのみならず、その動きが高まることで化学肥料漬けの農業にブレーキをかけられる。
あるいは、ただ安いからと郊外店に行ってしまう社会現象に対し、地元の商店街の復活へと流れを変えられる。
もちろん、長期投資の先で「カッコ好くお金をつかう」流れが高まれば、広い意味での文化関連産業が大きく発展する。
地球環境の悪化や資源の枯渇化といった問題とは無縁の文化産業でもって経済成長を図れば、これまたSDGsである。