企業価値向上表彰

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 東京証券取引所が主体となって、2年前から企業価値向上表彰制度というものをやっている。 その記者発表が昨日行われ、審査委員3名が大賞受賞会社と優秀賞4社の選定理由やらコメントを語った。

 上場企業全般に企業価値を向上させる意識を高め、その努力をもっともっと重ねてもらいたい。 それが、より多くの投資家に向けて株式投資の魅力と安心感を伝えることになり、株式市場の活性化ひいては日本経済の拡大発展につながっていく。 そういった意義と目的は、そう遠くない将来に大きな成果となって現実化してこよう。

 昨日も日経の記者に語ったが、この制度はすごい成果をもたらすだろう。 上場3400社のすべてから財務データを洗い出して上位100社をスクリーニングし、そこから詳細なアンケートを実施した過程で驚かさせられた。 それは、日本株投資の安心感が一般の想像をはるかに超えて高まっていることだ。

 よく株式投資はリスクが多いといわれるが、相場動向による株価下落リスクは横へ置くとして、これと思える投資対象企業の経営基盤は相当に強化されてきている。 企業が積極的な拡大戦略を進めていく上で、財務的なバックアップ体制がずいぶんとしっかりしてきた。 そういった企業がゴロゴロしているのだ。

 いつも書いているように、われわれ一般生活者が企業を消費者として、また株主として応援していくのが成熟経済では大事なキーワードとなってくる。 毎日の生活消費は、それこそ毎日やっている。

 ところが、企業の応援投資となるとどうしても敷居が高くなってしまう。 そこで効いてくるのが、企業の方で投資価値と安心感をどんどん高めてくれているという現実だろう。 

 ちょっとやそっとの不況ぐらいではひっくり返らないよといったほどに経営基盤を固めてくれていれば、後は安く買うだけである。 そこは、長期投資家の暴落相場を応援買いに行くぞという考え方に直結する。

 つまり、われわれ長期投資家が堂々と応援買いを展開していくに足る企業が、びっくりするほど多くなっているのだ。 それが、企業価値向上表彰で実感させられた。