アベノミクスをはじめとして、いろいろな経済活性化策が講じられているが、なかなか効果は出てくれない。 日銀も黒田バズーカと呼ばれる異次元の金融緩和でデフレ脱却を急いでいるが、物価の上昇は遅々としている。
企業に対しても賃金を上げろ、設備投資を増やせと迫っているが、さしたる動きもみられない。 完全雇用に近い状態で、設備を増強しようにも人が集まらないのがネックとなっている。
どうにも打つ手がない。それで対策予算を投入しなければとなるが、気がついたら国の借金は1058兆円に達した。 日本経済の2倍を超す巨額の借金だけが積み上がってしまった。
さあ、どうするか? 発想を変えるしかない。 これが成熟経済と割り切ってしまうと、いろいろな対策が自然と浮かび上がってくる。
先ずは、経済全体が伸びて国民の所得が増えていくという、これまでの経済成長をベースとした考え方はもう捨てよう。 そして、国民一人ひとりが「自分はどうするか」を考え行動するのだ。
経済全体が伸びて、自然と収入が増えていってくれた時代が、そもそも異常に幸せだっただけのこと。 収入を増やして生活を楽にしたいと願うのならば、がむしゃらに働くしかない。 それは古今東西、ごく当たり前の真理である。
将来が不安不安といっているのではなく、なにが不安かを洗い出してみよう。 老後の生活が心配だ、年金は当てにできそうにないと思えば、資産形成と自分年金づくりを進めればいい。
そんな余裕はないといっていても、国も会社も面倒は見てくれない。 となれば、自分で何とかしなければならない。 なにしろ、自分の老後は刻々と迫っているのだから。
国の財政がどこまで持つのか不安? だったら、もう国を当てにしない生き方を、国民一人ひとりが見つけ出すしかない。 国に頼る度合いを減らせば、それだけ国の財政負担も軽減される。
そういった自助自立の動きが国民の間で高まってくれると、経済全体もつられて元気になっていく。 国民一人ひとりが自助の精神で頑張るのだ、そもそも経済活動の原点なのだから。
また、それが生活弱者に対しても大きなサポートとなる。 いま動ける人がどんどん前向きに動くことで、経済全体のパイが膨らんでいき、その分け前は多くの人々に行き渡ることになる。 それが経済というものである。
そう、成熟経済をなんとかさせようと思うなら、いま動ける人からどんどん自助の行動に入っていくことだ。 それが集まってこそ、成熟経済の成長がある。