投資家の多くは、株価などマーケットの上昇をとらえて投資収益を得ようとする。
彼らにとって大事なのは、上昇相場を上手く捉えて、素早く価格上昇の波に乗ることだ。
それには、皆が買いに入ってくるのを見計らって、遅れてはならじと急ぎ買い参加するに限る。
多くの投資家が後から後からどんどん買い参加してくるような上昇相場であれば、これで儲けられるぞとニンマリだ。
ところが、勇んで買ったはいいが、しばらくすると後続の買いが尻すぼみとなることもしょっちゅうである。
そうなると、そこまでの上昇相場に急ブレーキがかかり、マーケットは下落に転じる。
しまった高値掴みをしてしまったと、臍をかみながらも、次の買いが入ってくるのをひたすら待つことになる。
それを塩漬け投資という。 順張りの投資家によくあるケースと言える。
順張りの投資? 上昇相場に素早く乗って、値ざやを稼ごうとする投資手法のことだ。
どの投資家も値上がりしそうな株式を見つけようと、鵜の目鷹の目でマーケット動向を凝視する。
値上がりしそうな株式なら、なんでもいい。 値動きだけが大事で、素早く飛び乗ることだ。
よくテーマ銘柄とか人気株を見つけろとかいわれるが、それもこれも多くの買いが集まるぞという期待感だ。
しょせんは、マーケット動向を如何に上手く捉えるかどうかで、そう当てにはならない。
そのマーケットだが、変転きわまりない動きをする。 買いが集まれば上がるし、売りが出ればすぐ下がる。
買いも売りも、投資家たちの好き勝手の動きでどうにでも方向を変える。
まだ上がりそうだと思えば、どんどん買いを入れてくるし、ヤバいと思えば売り逃げに殺到する。
そういったマーケットを相手にして資産づくりを考えるのは、不安定きわまりないし再現性もない。
なのに、多くの人々はマーケット相手の投資でもって、資産づくりをしようとする。
運用会社の多くも、変転きわまりないマーケット動向を相手に運用成績を出していこうとしている。
どちらも、この20年余のカネ余りバブル高のマーケットに乗って、一応は上手くいっている。
ただ、それもこれもカネ余りバブル高が終われば、悲惨な結果に陥るのは避けようがない。
資産づくりの投資運用は、マーケットからはつかず離れずのスタンスを守って、自分の投資リズムを大事にすること。
すなわち、将来的に投資価値の高まるであろう企業の株式を安く買っておいて、高くなるのを待って売るリズムだ。
それでもって、再現性のある資産づくりを淡々と進めていくのだ。 それが、本格派の長期投資家である。