ジリジリと円高が進んでいる横で、
日本の当局はいつ為替介入に入るのかといった思惑も市場で交錯している。
もう入れ以上の円高は日本経済を叩き潰しかねない、
だから円売りドル買いの為替介入を急ぐべきだという声が高まっているわけだ。
日本の国内総生産のうち輸出が占める割合は11%ちょっとで、ドイツの40%とは大違い。
むしろ米国と肩を並べるぐらいの国内消費大国なのだ。
あるいは、輸出マイナス輸入のネットで見ると国内総生産の1%でしかない。
したがって、
円高イコール輸出産業壊滅で日本経済に大打撃を与えるといった図式は過剰反応すぎる。
そうはいっても、せっかくの円高を有効活用しない手はない。
円が高い分、海外のものが割安に買える。
どうせ日本は資源小国なのだから、この際に海外の資源を片っ端から買ってしまえばよい。
鉱山そのものや資源の権益、あるいは大手資源会社の株式などを、
どんどん手に入れておけば国益にもつながる。
方法は簡単で、国が日銀から30兆円から50兆円の借り入れをして、
その資金を大手商社と加大手の資源開発会社に委託すればよい。
商社や資源会社は既にいろいろな情報を持っており、
ふんだんな資金さえあれば強い交渉ができる。
話がまとまって実際の購入となれば、
その段階で円売りドル買いが実行され巨額の資金が市場に放出される。
それはそのまま、日銀の量的緩和と同じ効果を発揮して景気浮揚策になる。
いつもの為替介入で、米国債購入残高をさらにさらに積み上げるよりは、
はるかにましな国家戦略になると思うが。