毎週末のセミナーで特に感じるのは、新しい投資家層が着実に増えているということ。 これまで預貯金中心というか、余ったお金はこれといって何も考えずに銀行や郵便局に預けていた人たちが、セミナー会場に足を運んでくれるようになっている。
この変化の背景には、年金の将来がどうも安心できないという共通認識が、日本社会のあちこちに広まっている点が挙げられよう。 年金が当てにできないとなれば、自分で何か対策を講じておかなければと考えるのは、自然の自己防衛反応だろう。
そうなると、どうしても投資ということになってくる。 預貯金の利子年0.02%前後では、まったくをもってお話にならない。 100万円を2倍の200万円にするには、3600年もかかるのだ。 年金が当てにできない分、なにか対策を準備しておこうといったところで、まるで役に立たない。
ところが投資となると、リスクが多いとか怖いものといった先入観が一般化している。 実際、日本の投資商品のほとんどは、儲かるか損するかの相場ものが中心で、長期の財産づくりをお手伝いするという観点に欠けている。
相場ものというのは、いま人気の投資トレンドに乗った運用が主体となる。 皆でどやどやと人気トレンドに乗れば、上昇トレンドは加速する。 それに乗って大きく稼ごうとするわけだ。
皆が同じような考えで、同じような行動をするのが、相場追いかけ型の投資である。 みなが同じような方向で買っているから、この上昇相場まだまだ続くだろうと想定して、さらに買い上がる。 これを思惑を張るというが、どこかで誰かが売りに回りだすと、徐々にあるいは瞬間にギアは逆回転を始める。
その後は、奈落の底へ一直線となる。 それをみて、相場は怖いものだを飛び越えて、投資はリスクが大きいとなってしまう。 相場を追いかけて相場にやられただけなのにね。
大体からして、投資というものを勘違いしている。 投資とは、より良い将来へ向けて、お金に働いてもらうことである。 お金を相場の世界に放り込んで値ざや稼ぎしようというのとは違う。 お金を経済の現場で用立てさせてもらって、じっくりと働いてもらうのだ。
経済のパイが大きくなり皆が良くなって、ありがとうといって投下資金が殖えて戻ってくる。 それが、投資のリターンというものである。
こう書いてくると、”頭ではわかるけど、そう上手くいかないから投資は難しいといわれるのでは”、といった反論が戻って来たりする。 最初から、そう上手くはいかないと決めつけているわけだ。
さわかみファンドをみてみよう。 設定して15年半、ずっと本格的な長期投資を貫いている。 上に書いた、良い世の中づくりを徹底的に追及して、お金をまわし続けている。
なにも難しいことをやっているわけではない。 それでも、この2月末までで、年率複利で5.3%という成績を残している。 これだけの大型ファンドで、このデフレ経済下5.3%の財産づくりは、他のどの投信ファンドや金融商品も追随を許さない。
もっとすごいのは、毎月の積立投資をしていた人たちだ。 日本経済が長期t低迷し、株価も2度にわたって1982年の水準にまで売り叩かれた15年間、ずっと一定額を買い増し続けた結果、年7.21%という成績となっているのだ。
まあ、百聞は一見に如かず。 さわかみファンドをみてもらえば、”長期投資って、そういうことなんだ” といった理解が進もう。 自分で長期投資するもよし、さわかみファンドをどんどん購入するもよし、年金代わりの財産づくりはいくらでも進められる。
この理解が広まって国民の間で一般常識となれば、もう年金不安におののくこともなくなるだろう。