高いところにいる、もう一人の自分と話してみな

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世の投資家のほとんどが、強い上昇相場をみるや、株価はどんどん上がるだろうと希望を膨らませる。

この上昇トレンドに乗って買わなかったら、いつ買うんだといって追加の資金を投入したくなる。

上昇相場がもたらす期待の高まりである。 もっともっと上がりそうだ、儲かりそうだの期待がどんどん膨れ上がる。

そういった時は、株価上昇に煽られるようにして、どの投資家もますます強気になっていく。

ところが、どんなにすごい上昇相場も、永久には上がり続けない。

どこかで曲がり角を迎えて、下げに転じるもの。 そうなるや、皆が売りに走る。

下がりだした、損しそうだで、皆が売り逃げに走るや、相場は暴落の様相を高める。

いざ暴落相場となるや、大勢の売りが殺到するから、そうそう簡単には売れない。

それでも無理して売ろうとすると、恐ろしく安値で売るなんて羽目にも。

売って現金を回収してみたら、えらく損したということも、よくあるケース。

こういったドタバタも、外部から見ていると、みな欲に振り回されているなと、思わず笑えてくる。

ところが、相場にどっぷり浸かってしまっている投資家には、それが見えない。

そこでだ、いつもマーケットにいる自分とは別に、もう一人の自分がずっと高いところにいると想定するといい。

そして折にふれて、高いところにいるもう一人に尋ねてみるのだ。 いま、どんな感じだと。

すると、低迷相場が続いている時などでは、誰も買おうとしないから、いい買い物がゴロゴロしているよと答えてくれる。

株価の上昇が始まると、まだ多くの投資家はおっかなびっくりで、ちょっとしか買っていないよなどと伝えてくれる。

そのうち、上昇相場の勢いが強くなってくるや、だいぶ投資家は熱くなっているよと教えてくれる。

株価が安い間に買っておいたのだから、そろそろ利益確定の売りを考えだしてもいいんじゃないのとささやいてくれる。

多くの投資家がガンガンに買ってきだしたら、「これはヤバいよ、早く売り逃げしようよ」と、どなってくれる。

高いところにいる、もう一人の自分はいつも冷静にマーケット全体の動きを見てくれている。

また、高いところだから、投資家の動きが良く見える。 それで、適切な判断をアドバイスしてくれるのだ。

そういった高いところから全体を見てくれている相棒がいると、投資はがぜん楽になる。

そして、マイペースの投資を進めていっては、投資は楽だなと思えてくるものだ。