お金をまわしてやろう文化論

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経済活動はすべて、お金をつかうところからはじまる。

個人の消費に向けての諸々の生産や供給活動も、生活者がつかってくれるお金を期待してのもの。

企業が設備投資などをするのも、売り上げの増加を見越して資金を投入するわけだ。

投入される資金は工場建設や、機械設備の導入に向かっていって、多くの業者の収入となっていく。

どれもこれも、先ずはお金をまわしてやることからはじまったり、それを期待してのもの。

そういうことなら、お金をどんどんつかってやれば、経済活動はそれだけ拡大するはず。

そこに、「お金をまわしてやろう文化論」なるものが意味を持ってくる。

お金を抱え込むことなく、どんどんまわしてやる。 まわしてやる方向でもって、経済活動を活発化させるのだ。

なにしろ、個人マネー1012兆円が預貯金に眠っている。 (日銀統計、3月末現在)

たとえば寄付。 日々の生活に苦しんでいる人々に寄付がまわっていけば、そのお金は消費拡大に直結する。

個人の預貯金マネーの3%が寄付を通して、生活必需品を中心に消費が拡大すれば、日本経済は5.4%も成長する。

すごいと思わないか。 寄付をすることが、多くの人々に喜んでもらうだけでは終わらないのだ。

寄付を通して、日本経済の成長に積極貢献できる。 そういった認識を高めること、まさに文化である。

地域経済や社会の活性化も、まったく同じ文脈で語れる。

たとえば、いま徳島で仲間たちと、日本で初めてとなる本格的なオペラハウスを建てようと計画している。

建設費は300億円ほどかかるが、地元の人々がその気になれば、簡単に拠出できる。

なにしろ、徳島にある二つの地銀に5兆8000億円の預金が眠っている。 その、0.5%がまわればいいだけのこと。

一方、日本で初となる、馬蹄形のオペラハウスができたら、その経済効果は計り知れない。

世界のトップをいく歌劇場やフィルハーモニーは、いずれも東京を素通りして、徳島のオペラハウスに向かう。

当然、全国はもちろん世界から観客が徳島へ押し寄せるから、ホテルはじめ地元のお店に大きなお金が落ちる。

おそらくだが、毎年20~60億円のインバウンド収入となろう。 それが、50年100年と続くのだ。

まさに、文化をベースとした長期投資である。