メガトレンドの交代

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われわれ本格派の長期投資家は、いつも100年ぐらいの時間軸で世界の大きなトレンドをつかもうとする。

100年単位のトレンドの中でも、変わらないものと変わっていくものを、しっかりと見極める。

なにがあっても変わらないものの代表格が、人々の生活である。

そして、その生活を支えている、企業による生産と供給の活動である。

人々の生活消費と企業の生産供給活動は、世の中にどんなことが起こっても、消えてなくなることはない。

このふたつが紙の表裏となって、経済活動のほとんどを構成している。 つまり、実体経済だ。

人々の生活をベースとした実体経済は、世界でなにがあっても、どんな不況時でも存在する。

たとえ不況や大恐慌などで、一時的にその規模が縮小しても、せいぜい5%~20%縮むだけだ。

この、なにがあっても常に存在する実体経済にしっかりと足を下ろし、変わるトレンドを先取りするのが長期投資である。

で、変わるトレンドとは? 現在なら、40年越の金融緩和が崩れ出していることだろう。

先進国中心に金利をゼロにし、マネーを大量供給することで経済成長を促してきたが、期待外れの結果に終始した。

マネー膨れは、一部の人々の間で金融所得を大幅に増進させただけ。 その横で、大多数の国民の低所得化が進んだ。

そんなところへ、世界的にインフレ圧力が高まってきて、金利も上昇に転じた。

40年越しの金融緩和政策に対し、経済の現場から反撃の狼煙が上がり、メガトレンドが逆流をはじめたのだ。

カネ余りで膨れ上がるがままだった金融バブルに対し、インフレと金利上昇という刃が突き付けられた。

ここから先は、ゼロ金利やマネーの大量バラマキで築き上げてきた金融マーケットが、砂上の楼閣のように崩壊していく。

その崩壊は、40年越しのメガトレンドの終わりを象徴するものとなるが、世界経済に大混乱が襲うのは免れない。

だからといって、繰り返すが実体経済がなくなることはない。 つまり、われわれ本格派の長期投資家にとっては、なにも怖れることはない。

それどころか、新しいメガトレンドを先取りする準備を怠らない。

どういうことか? 金利が存在し、その上下変動でもって経済活動が自然と調整されていく、ごく普通の経済への回帰だ。

そこへの移行段階では、多くの企業や金融機関が淘汰されていき、労働力の大移動も起こるのは避けようがない。

同時に、個別の企業を取捨選別して、応援企業にのみ投資していく、アクティブ運用が大復活を果たそう。