長期投資の肝は、推と論だよ

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長期投資において、将来の可能性を自由自在かつ、しなやかにイメージする作業が欠かせない。

それが、長期投資における「推」だ。 いってみれば、神経細胞が柔軟に伸びていくように思考するのだ。

ただ、それが単なる夢想や憶測に留まっていては、実際の投資行動につなげられない。

やはり、可能な限り具体的な数字や論理でもって「推」を裏付けていく必要がある。

それが、長期投資における「論」である。 といっても、将来の数字や論拠なんて、あるわけがない。

必要なのは、大自然の摂理や世の常識をも踏まえた上での、論理的な思考力である。

それらを、別の表現でいうと、ものごとを「広く、深く、遠く」考える作業を、とことん面白がることだ。

具体的に見てみようか。 この長期投資家日記では、ずっと前から金融緩和バブルは崩壊すると言い切っている。

そして、とにもかくにもバブル化しているものからは遠く離れてしまおうと、繰り返している。

一方で、人々の生活に欠かせない企業で、さほどバブル買いされてこなかった企業の株式は買っておこうと主張している。

どれも、これも、具体的な行動を示している。 なんの躊躇も、前提条件とやらもなしにだ。

では、どのような考えでもって、そういった方向性を打ち出せるのか?

先ずは、この40年ほど、先進国中心に金融でもって経済を成長させようとする政策を推し進めてきた。

金利を引き下げ、マネーの量的拡大を進めれば、経済活動は活発化するという政策だ。

それが、金融マーケットの異常なる膨張と、一部の人々への金融所得の集中を招いた。

一方で、大多数の人々の所得は低迷ないし低下を余儀なくさせている。

その横で、マネーの大量供給はお金の価値を下げ続け、将来のインフレの種を蒔いてきたことになる。

たまたま世界経済のグローバル化が大きく進展したから、自由貿易によってあらゆる価格の低下現象も進んだ。

ところが、2010年代に入るや、企業が利益重視で突っ走ってきた結果の投資不足が、供給制約につながってきた。

そこへ、トランプ米大統領による自国重視、すなわち自国第一主義が米中の貿易戦争などを引き起こした。

エネルギーや資源などの分野での供給不足や、自由貿易にブレーキをかけた結果、コストプッシュ型のインフレが台頭しだした。

インフレの台頭ともなると、金利は引き上げざるを得ない。 それは金融マーケットの下落に直結する。

ここまで書いてきたことは、きちんと整理すると、誰でも簡単に理解できよう。

では、ここから先の推と論は、どうなんだろう? 明日、また書こう。