動ける人には、動いてもらおう

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日本経済は相変わらずの低迷から、なかなか抜け出せないままでいる。

その状態が、もう30年にわたって続いているのだ。 以前は、「しばらく我慢すれば」で、時間の助けに期待した。

それも、さすがに最近では「待っても、なにも得られない」に変わり、日本全体に無力感がはびこりだしている。

そして、「日本はこのままダメになっていくのだろう」といった、あきらめムードが静かに広がってきている。

これは、危険である。 経済は生きものであって、あきらめ感のまん延は日本経済のジリ貧を加速させるだけだ。

なんとかこの状態を打破しなければの意思と意欲こそが、経済活性化の起爆剤あるいはエネルギーとなっていく。

そこで登場してくるキーワードが、「動ける人から、どんどん動く」である。

日本はこのままダメになっていく、その中で自分だけはなんとか安全圏になんて言っていると、結局は自分もダメの濁流に押し流されてしまう。

自分はもちろんだが、周りも少しずつでも良くなってもらわないと。 そう考えるのが、経済活性化の原点である。

そう、自分を起点にしても構わないが、周りの皆も良くなっていかないと、日本経済のジリ貧からは脱出できないのだ。

では、「動ける人から、どんどん動く」を具体的に考えてみよう。

先ずは、預貯金に働いてもらうことだ。 年0.001%の利子しか得られない預貯金に、955兆円もの個人マネーが眠っている。

1万年たってようやく2倍にしかならない預貯金に、このまま眠らせておいても、得られるものはないも同然である。

ならば、本格的な長期の株式投資で、生活者にとって大事な企業を応援しようと、株主になることだ。

平均の予想配当利回りだけでも、2%になる。 つまり、預貯金の200倍の利子収入が得られる。

それだけではない。 地味でも生活者にとって大事な企業の株主になって、長期視野の経営をサポートできる。

地道な研究開発投資などを促進させたり、あまり儲かっていないからとかで地方の工場が閉鎖されるのを阻止したりできる。

それが、企業の潜在成長力を高めたり、地方経済の疲弊にブレーキをかけることにつながっていく。

あるいは、預貯金の3%でいいから、広い意味での文化活動に積極参加したり、寄付でもってお金をまわしてやることだ。

教育、芸術、スポーツ、技術、NPO、ボランティアなどの活動を高めてやれば、そこに雇用や新しい産業の創出に貢献できる。

寄付にお金をまわせば、まわされた先では即座に消費が発生する。 即効性のある経済活性化策となる。

預貯金955兆円の3%が動くだけで、日本経済にとっては今すぐにも5.3%もの成長要因となるのだ。

5%成長すれば、まわりまわって国民全般の所得増加につながり、日本病ともいえるジリ貧あきらめモードを一掃できる。