1960年代の後半から70年代にかけて、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドの北欧諸国は高福祉を謳歌していた。
そんな中、各国の国民は徐々にだが低成長に喘ぎだした。 高福祉はいいのだが、いかんせん低成長が続いている。
それで、国民の負担が重くなっていったのだ。 このままでは、高福祉そのものも基盤が揺るぎだす。
いろいろ議論を重ねて、80年代に入って打ち出したのは、高福祉路線にはすこしブレーキをかけつつ、市場の競争原理を導入しようということだった。
その流れに沿って台頭してきたのが、エリクソン、リナックス、ノキアといった情報通信企業である。
また、デンマークでは風力発電関連のビジネスが急伸長した。 ノルウェーでは北欧油田の収入を活用して、世界の成長に長期投資していった。
人口が500万から1000万人ちょっとの北欧諸国だから、軌道修正も小回りが利き成果もそれなりに上がった。
ひるがえって日本では、この先どうなっていくのだろう? 低成長ジリ貧経済が続き、国民の所得は低下気味となっている。
その一方で、財政赤字は恒常化し国の借金はうなぎのぼりに増加し、1200兆円を超えた。
日銀の財務は空前の資金供給に走ってきた結果、日本経済の1.3倍にまで膨れ上がっている。
経済活動は全般に元気ないは、国の財務状況は悪化の一途となっているはで、このままズルズルいくのは絶対にまずい。
かといって、北欧諸国のように高福祉高税率ながら、税金の使途については国民の監視が厳しく行き届いているわけではない。
毎年の予算は国会の審議を経てはいるものの、利権や既得権が政官民の間で根深く巣食っている。
そんなわけで、「日本は変えられない、変われない」、が常套句のようにはびこっているといった始末。
どうしたらいいのか? いつも書いているように、自助自立の気概と精神でもって長期投資していくのが一番である。
幸い、国民の多くは預貯金マネーという武器を持っている。 その武器を活用すれば、なんとでもなる。
国の財政がどうなれ、たとえ経済のジリ貧が続こうと、1億2千万余の国民の生活は存在し続ける。
それを支える企業活動も一時として途切れることはない。 ならば、生活者に欠かせない企業の株主になっておくことが、一番の安心である。
別の味方をすると、955兆円もの預貯金マネーの10%でも20%でも長期投資という働きに出してやるだけで、日本経済は一気に活性化する。
そのあたり、明日にでも書こう。