日本経済の低迷や財政赤字の累増には、このままいくと将来どうなるのだろうといった不安が付きまとう。 アベノミクスで成長戦略を模索するものの、なかなか効果が上がってこない。 皮肉なことに、政府がなんとかしようとすればするほど、財政赤字が拡大するという悪循環となっている。
この長期投資家日記で繰り返し書いてきたように、問題の根っ子は国民全体にある。 日本経済はこの30年どんどん成熟化を深めているというのに、日本国民のほとんどがいまだ高度成長期の頃の生き方から抜け出せていない。 それが故の、経済停滞と将来不安なのだ。
日本経済が戦後復興から高度成長期を経て80年代後半までは、すべてに勢いがあった。 個人も企業もいってみれば右肩上がり三角形の中にいて、皆が経済成長の恩恵に浴することができた。
個人も企業も普通に頑張っていれば、落ちこぼれというものがなかった。 せいぜい、右肩上がり三角形の上辺部に乗っかるか、下の方にいるかの違いしかなかった。
そういった世界経済からみれば信じられないような幸せ状態が、かれこれ42年ほども続いたのだ。 普通に生きていれば、まじめに仕事していれば、すべては上手くいくといった感覚が国民の間に刷り込まれてしまっている。
バブル崩壊で日本経済が落ち込んだ後も、頑張っていればそのうち景気も好くなってくるという期待感にあふれていた。 ところが、待てど暮らせど景気は戻らないし、身の回りの生活が少しずつ厳しくなっている。 それで、将来に対する不安感が高まってきているわけだ。
考え方、そして生き様を変えよう。 成熟経済には、皆が自動的に乗っかれる右肩三角形なんてものはない。 なにもしなかったら、どんどん落ちこぼれていくだけだ。 普通に頑張っていたら、全体の平均値あたりにいるかもしれないが、全体とともにジリ貧を辿るだけである。
それでは困ると思うなら、自助自立の生き様を強めるしかない。 もう右肩上がりの三角形がないのだから、自分の意思と意欲で上を目指していくしかない。
ここのところを国民のほとんどが自覚していないから、日本経済のジリ貧やデフレ現象そして財政赤字の急拡大が恒常化してしまうのだ。
年金不安だって、高齢化が進んでいるのだから年金財政悪化は避けようがない。 つまりは、頼ったところで当てにならない。 そんなことは、ちょっと考えればわかる話。 なんとかしなければと思うなら、自分年金づくりを進めていくだけのこと。
国民の多くが自助自立の行動を始めたら、日本経済はすぐ上向くだろう。 なぜなら、バブル崩壊後24年間も国やら会社やらに甘えて、他力本願に生きてきた日本人がようやく自分の力で動き出すのだ。 それだけでも、経済拡大効果は抜群である。
なにもしなかったら? どこかで国の借金財政が破たんし、国債は暴落するは金融は大混乱に陥るは、そしてあって当たり前としてきた日常生活も年金も医療費もすべてがガラガラポンとなる。 まあ、そうなったら否応なしに自助自立で生きていくしかなくなるけどね。