4月から消費税が8%へ引き上げられる。 現行の5%からみると、3%分も上乗せされるので、個人消費への影響は避けられないとされている。 したがって、10%への引き上げは、その後の景況をみてタイミングを判断するらしい。
一応、現行の5%から10%までの引き上げは決まっている。 だが、それで消費税の引き上げが打ち止めということはなかろう。 そう遠くない先に15%以上になっていくはず。
どうも日本の政治は目先の問題にこだわりすぎて、長期的な展望に基づく政策は苦手のようだ。 選挙に負けるのが怖いのか、票につながらない政策には口も眼も閉ざしてしまう。 それで、今回の8%への引き上げにも多くの政治家が猛反対してきたわけだ。
その横で、個人の所得税率を微妙に引き上げたり、相続税の強化はさっさと進めている。 高所得層や金持ちから税金を取るといえば大衆受けするし、庶民の味方ということで票にも直結するという発想なんだろう。
お粗末すぎる。 一国の経済が成熟化してくるにつれて、消費税など間接税の割合を高めていかなければ国の財政が持たない。 また、法人税や個人の所得税をできるだけ引き下げて、それぞれのレベルで富の創出意欲を高めることで経済の拡大発展を促進しなければならない。
それなのに、日本ではいまだに復興発展段階から高度成長期の頃の政策発想と税体系にこだわっているのだ。 経済が発展段階にある間は、国内需要の爆発的な伸びで経済は放っておいても成長する。 それにつれて企業や個人の所得も急速に伸びていくから、直接税すなわち所得税で財政は十分に賄える。
ところが成熟経済の段階に入っていくと、経済の成長スピードも所得の伸びも鈍ってきて、直接税一本やりでは国も地方自治体も税収不足に陥る。 一方で、社会福祉や景気刺激の財政負担は尻上がりに増えていく。 つまり、財政赤字が恒常的かつどんどん膨れ上がっていく問題となってくるのだ。
そこで間接税の登場となる。 消費税でも付加価値税でも名称はともあれ、国民に広く薄く税を負担してもらおうということだ。 消費税など間接税であれば、景気動向に左右されず一定の税収入を確保できる。
そして、間接税を高めに持っていって法人税や個人減税の財源にしていこうとするのが、いまや先進国共通の政策となっている。 そうしないと、経済は成長しないは雇用は増えないはで、国民にとってもマイナスとなっていくだけだからだ。
もちろん、税の使い道には透明性と戦略性が求められる。 その点は、来週どこかで書こう。