世の中には投資に関する専門書から一時の成功を自慢げに語っている書物まで、
それこそ星の数ほどもあふれている。
投資に関する書物がそれだけ多いのは、投資が如何に難しいかということを逆説的に物語っている。
みな、投資で儲けよう儲けようと眼の色を変えるが、
それがどれほど難しいことかは考えようとしない。
簡単な話し、マーケットには儲けようと必死の人々が万と集まってくる。
そんな修羅場で、どうして自分だけがうまく儲けられると期待するのか。
誰かが儲けるということは、自分の損につながるから、
それはさせじとマーケット参加者の誰もが身構える。
そんなところで、自分ひとりが儲けようなんて甘い。
投資を考え違いしている。
投資とは社会や経済の発展のために資金を投入していくことである。
そこには儲けようなんて意識はかけらもない。
ただ、世の中が豊かになって人々がより幸せに生活することによって、
経済は拡大発展し結果として投資したお金は増えて戻ってくる。 だから、リターンというのだ。
経済のパイが大きくなれば、一人ひとりの分け前も大きくなる。
ところが、自分だけ自分だけとやらかせば経済のパイは縮小するばかりとなる。
ここのところを、しっかり押さえずして自分だけ儲けようとするから、投資は難しいとなるのだ。
一般的に投資と思い込んでいるのは、ディーリングである。
トレーディングといってもいい。
マーケットでの価格変動を追いかけて、値ざやを抜いて稼ごうとするものだ。
それも経済活動のひとつであり、マーケットの価格形成に厚みをもたらせてくれる意義がある。
ただ、ディーリングやトレーディングからは新たなる富は生まれない。
やはり、富を創造していくとなると投資の出番となる。