攻める投資と資産運用ビジネス

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マーケットの価格変動のみならず、さまざまな投資や投機のチャンスに敢然と飛び込んでいく。

そして大きな収穫を手にする。 もっとも時として大やられするが、そんなことでヘコタレはしない。

そういった投資や投機の先では、新しい企業やビジネスモデルが次々と生まれてくる。

いわゆるリスクテイカーが果たす重要な経済的役割だ。 銀行など預貸業では、とても手を出せない領域である。

そこは、リスクを恐れない個人や、リスクテイカーに資金を出しても良いとする資産家たちの独壇場といえる。

われわれ運用ビジネスに携わる人間としても、血沸き心躍る投資活動である。

ただ運用会社としては顧客資産を預かる立場上、いろいろな制約が発生する。

もちろん投資家顧客の全員が、リスクマネーの提供を自らの社会的な役割と認識しているならば、話は早い。

いろいろなタイミングで、リスクを怖れることなく、思い切った投資や投機ができる。

そういったリスクテイカーの行動が、経済や社会が大きく変化する時には不可欠な起爆剤となる。

といっても、リスクテイカー達は瞬発力と機敏な行動があってこその切れ味となる。

だから、あまりに大きな資金を預かることは自殺行為につながってしまう。

一方、資産運用会社は自ずから、リスクテイカーたちとは一線を画した行動が求められる。

一般生活者の大事な虎の子をお預かりする運用会社では、安心と信頼でもって職務を果たそうとしている。

したがって、リスクテイカー達とはまったく違った投資行動を取ることになる。

どんな行動か? マーケットの動向のみならず経済全体を、経済合理性の方向へと誘う重要な役割だ。

経済合理性の方向? マーケットにしても経済活動にしても、往々にして行き過ぎるもの。

それに対し、水が高きから低きに向かって流れ込んでいくが、それを先導するのも重要な投資行動なのだ。

そのあたりは、この長期投資家日記でいつも書いている、本格派の長期投資家の行動と考えてもらっていい。

ともあれ、われわれのような資産運用ビジネスでは、地味な行動の連続となるのは仕方がない。

その代わり、経済合理性のしからしめる方へ顧客資金を誘導するわけだから、安定度はきわめて高い。

また、お預かりする資産はいくら大きくなっても構わない。 それだけ重量感のある投資行動ができる。

経済社会にとっても、より合理的な方向への振り子を先導するわけだから、資金が大きければ大きいほどいい。

リスクテイカーも、本物の資産運用会社も、どんどん出てきてくれるのは日本経済にとって大事なことである。