投資にリスクはつきものなのか?

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昨日の社内勉強会で、たまたま来ている研修生から、おもしろい質問が出た。

投資にはリスクがつきものといわれていて、それで投資をためらう人が多いが、どう対応したらよいのかと。

そこで、「ちょっと待って、投資にリスクはつきものと決め込んでいるが、それって本当だろうか」から、熱い議論が繰り広げられた。

この質問は、投資ではお金を増やすことを期待するが、減らしてしまうリスクも無視できないのではということだ。

たしかに、一般的な投資では勝ったり負けたり、取ったり取られたりで、儲けと損失リスクが背中合わせとなっている。

それは、マーケットを通して、お金の分捕り合いをしているから当然のことである。

お金の分捕り合い? そう、個人投資家もプロといわれる機関投資家も、いかに儲けてやるかで血眼になってマーケット参加しているではないか。

自分が儲けるとなれば、別の誰かが損するということだ。 つまり、儲けと損失が背中合わせとなっているわけだ。

残念ながら、そんなもの投資ではない。 せいぜい、銭ゲバ投機にすぎない。

では、ホンモノの投資とは、一体どんなものなのか? 作物を育てるイメージをするといい。

おコメ作りだと、春まだきの頃に田んぼを耕して、土を空気に触れさせてやる。 そして水を張ってやる。

同時に、苗代で苗を育てる。 水がぬるんでくるのを待って、いよいよお田植だ。

田植えが終わった後は、梅雨の水をたっぷりいただき、夏の強い日差しを浴びて稲が育っていくのを見守りつつも、雑草を取ったりの手入れを怠れない。

台風の訪れにはらはらしながらも、たわわに育った稲穂の具合を見て、稲刈りに入る。

およそ110日ほどかけて、お米の収穫となるわけだ。 時間はかかるが、必ずなんらかの収穫はある。

その年が冷夏だったり、害虫にやられたりすると、コメの収穫は大きく落ち込む。 それでも、収穫は収穫だ。

これが、投資というものである。 農作物を育てるように、社会が豊かになる方向でお金に働いてもらうのだ。

その年によって不作か豊作かはあるが、それなりの収穫は得られる。 それを皆で分け合えば、みなが幸せになれる。

取ったり取られたりは、誰かの儲けは別の誰かの損となる、ゼロサムゲームにすぎない。

つまり、博打(バクチ)であって、みなが幸せになるなんて、はじめから望めない。 だから、リスクがあるとなるわけだ。

一方、ホンモノの投資はプラスサムの世界にあって、みなが幸せにならないと、むしろおかしいのだ。