長期投資の良さやすごさは、10年とか15年ぐらいの時間をかけて、じっくり味わってもらう必要がある。
そのくらいの時間をかけてホンモノ度合いを実感してもらえると、後は楽なもの。
まともな長期投資を続けている限り、お客様は安心し信頼して、ずっとついてきてくれる。
また、自分の実体験をもって周りに語ってくれることで、強力な口コミ効果も期待できる。
これが財産づくりの王道なのだが、そこまでたどり着くには相応の時間がかかる。
運用サイドからすると、強い覚悟をもって実績を積み上げていくしかない。
ところがだ、現状のようなバブル期には、なかなかホンモノ度合いを実証することができず、長期投資はどうしても影が薄くなる。
なにしろ、バブルに乗ってぐんぐん成績を上げている投資スタイルなどが、これぞ本命とばかり脚光を浴びる。
その横で、のんびりじっくりの長期投資など、まったくをもってお呼びでなくなる。
そういった眼前の投資成果を追い求めて市場参加者たちがやたらと熱くなっているのが、そもそもバブルなのだが。
ともあれ、いつのバブルも終わってはじめて、あれはバブルだったと皆が認識する。
認識しだした時点では、売り逃げが殺到していて、マーケットの暴落が加速するばかり。
もうそうなると、長期投資の良さや安定度を実感するどころではない。
みな逃げることに必死で、長期投資の口コミ効果など期待するのもはばかれる。
ところがだ、マーケットが暴落を続けている中で、ホンモノの長期投資が健闘している姿は、いやでも目立つ。
それをみて、暴落相場でも生き残っている一部のマネーが、長期投資に群がりはじめる。
口コミなどではなく、暴落相場を乗り切っているのをみて、マネーが群がり集まってくるのだ。
その資金流入現象は、バブル崩壊の混乱が収まってきた後でも続く。 むしろ、ますます太い流れとなっていく。
本格的な長期投資を展開している運用サイドからすると、焼け太りするかのように資金流入を満喫できるわけだ。
その一部は、いわゆるホットマネーで、他により短期で儲けられる可能性が出て来るや、さっさとそちらへ移っていく。
おもしろいことに、流入したマネーのかなりの部分が、そのまま長期投資に居ついてくれる。
そういった焼け太りのような形で、本格的な長期投資は預かり資金を一気に増やしてしまうのが、歴史では繰り返されているのだ。