順調ながらも、まだまだこれからだよ

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さわかみ生マグロの直販クラブの会員数も、実際の注文も順調に拡大している。

ありがたいことに、和歌山県の那智勝浦港から自宅まで直送しているが、皆さんから美味しかったと評判になっている。

生マグロ直販クラブは、社会的な意義がきわめて大きい。 なにしろ、マグロ資源枯渇化になんとしてもブレーキをかけようとしているのだから。

マグロ漁は魚群を一網打尽にする延縄漁業の普及とともに、資源枯渇化が世界的な問題となっている。

それに対し、昭和の頃からずっとマグロの一本釣り、つまり延縄漁にこだわってきたのが那智勝浦港の男たちである。

その心意気は、生マグロの旨さが代弁してくれる。 一本釣りしてすぐ活き締めするから、マグロの旨さが失われない。

その点、巻き網漁で大量の魚群を一網打尽にして釣り上げると、多くの魚が圧死してしまう。

つまり、魚体は痛むし活き締めもままならない。 マグロはじめ生の魚の美味しさは失われることになる。

たしかに、経営効率からすると巻き網漁が圧倒的に有利であるが、マグロ愛に燃える男たちからすると絶対に許せない。

本当に美味しいマグロを一般消費者に届けつつ、マグロ資源を大事に後世まで残していきたい。

そういって頑張ってきたものの、巻き網漁と一緒くたにされて買い叩かれてきたから、那智勝浦港は寂れる一途。

漁師の廃業が相次ぎ、後継者難も年々ひどくなっている。 このままいくと、生マグロが食べられなくなりかねない。

そこで立ち上がったのが、生マグロ直販クラブである。 天然マグロそれも生を食べたら、もう忘れられない。

問題は、どうやって手ごろな値段で消費者に届けるかだ。 長年の研究や実験で、ようやく直販の目途が立った。

仕組みは、こうだ。 一度も冷凍していない生マグロを、いろいろな部位ごとに100g毎の柵にして特殊冷凍パックする。

それを、直販会員にクール宅急便で届けるのだ。 指定日に宅送されるが、必ず受け取って自宅の冷蔵庫の冷凍室に入れてもらう。

召し上がるときは、指定された解凍方法で生マグロの状態に戻すことで、天然マグロの旨さを堪能してもらえる。

この直販クラブ会員を5万10万人と増やして大きな購買層を構築すれば、それだけ大量のマグロを那智勝浦港で競り落とせる。

われわれが、高めの価格でどんどん競り落としていけば、これまでのような安値での買いたたきを防げる。

同時に、市場に出回っている巻き網漁のマグロに対し、一本釣りのマグロの旨さを世に広めることにもなる。