個人ごとで恐縮だが、ダイヤモンド社から自分の新刊が発行されます。
今週末ぐらいから書店の店頭に並ぶでしょう。
今日はその宣伝をするためではありません。
5年4ヶ月にわたって毎月のダイヤモンドザイ誌に連載された長期投資のコラムが、
一冊の本になったわけだ。
毎回2問ずつの読者からの質問に対し、長期投資の立場から切れ味鋭く(?)お答えする内容。
おもしろいのは、5年ちょっとの間にも世界を揺るがすようなニュースがいくつも勃発した。
その都度、読者からは大変だどうしようといった不安や、
過剰なまでのリスク回避反応が寄せられた。
それに対し、あわてないあわてないと毎回オウム返し。
“なにがあったって世の中そうそう変わりはしないのだから、大きく下がったら買っておけ” を繰り返した。
株式市場の反応も同じで、大変なことになったと2,3日は急落する。
しばらくすると、もう売り逃げで大騒ぎしてたことを忘れて、
今度は株価の低迷を嘆いたり、ほかに悪材料はないのかの詮索ばかり。
安いのだから、将来価値の高まりを期待できる企業の株は、
ありがとうといって買っておけばよいのに、みなへっぴり腰から抜け出せない。
一冊の本になるにあたって、128の質問やそれに対する長期投資家としての回答を見直してみた。
内容の手直しは一切なしだった。
それでも、ていねいに3度ほどチェックしていて、笑えてきてしまった。
古臭くないのだ。
5年半近くたっているから、その間の出来事はどんどん過去形になっている。
しかし、長期投資という観点からみると、一つ一つが結構新鮮で、どんどん興味深く読めてしまう。
われながら、思わず感心してしまった。
長期投資のブレのなさというものは、時間がたつほどに存在感を高めるものなんだね。