お金をまわせる人から、どんどんまわそう

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出張が続き、長期投資家日記なかなか書けなくて、すみません。 書きたいこと一杯あるのにと切歯扼腕でした。

今朝、徳島県の鴨川でやったセミナーにおいて、強く語ってきたのが表題のテーマ。

1970年代の半ばごろから10年ちょっと、ヨーロッパも米国も成熟経済の罠に陥って経済は低迷した。

当時、自分はあちらに住んでいたから、現地の人々の生活ぶりがみるみる厳しくなっていくのを、まざまざと見つめていたものだ。

国民がより豊かな生活を実現すべく、モノを買い揃えようとしてお金をつかいまくってきた段階を卒業する、それが成熟経済化である。

経済活動は、お金をつかえばつかうほど活発化する。 当然のことながら、経済成長率も高まる。

逆に、お金をつかわなくなると、経済成長率は一気に鈍り、国民の所得も伸びなくなり消費はさらに落ち込む。

これが、成熟経済の罠である。 その罠を、サッチャー首相やレーガン大統領、そしてシュレーダー首相の登場で何とか切り抜けた。

この点については、別の日に書こう。 実は、もうひとつ大きな社会的な動きがあった。

それが、表題のお金をつかえる人々が率先して、お金をまわしてやらなければ、成熟経済はどんどんジリ貧になっていくという学びだ。

少しずつでも、とにかくお金をまわしてやろう、そうすれば多くの人々の生活を下支えできるし、経済のパイも大きくなる。

そういった学びというか認識が、たとえば全米の教会への寄付でもって、貧しい人たちへの炊き出しにつながっていった。

もっと大きいのは、NPO活動の急速な広がりである。 社会的な活動をしているNPOに、どんどん寄付をすることで社会の底辺にお金がまわっていく。

お金がまわり、社会も経済も元気になっていけば、まわりまわって自分の収入も増える。

この循環が米国やヨーロッパの社会に浸透していったことは、あまり語られないが自分が目撃してきた事実である。

この学びというか自覚こそが、成熟経済を成長させる大きな要因となっていく。

日本にも、それを広めたい。 ありがたいことに、個人の預貯金額は969兆円もある。

お金をつかえる人々が、意識してお金を社会や経済の現場にまわしてくれるようになっていけば、日本経済はびっくりするほど活性化する。

30年越しのジリ貧経済を、一気に活力ある経済社会に変えてしまえるのだ。