7兆ドルとか8兆ドルを運用する会社

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世界的なカネあまりは、運用業界にもバブル化をもたらしている。

米バンガード社と米ブラックロック社は、それぞれ7兆ドル8兆ドルを超す運用資金を運用するに至っている。

日本経済と比べ、その1.4倍とか1.6倍もの巨額資金を預かっているわけだ。

バンガード社は様々なインデックスファンドを中核にして、もともとは米国の個人資金を集めていたが、最近は世界中の資金を運用している。

一方、ブラックロック社は世界中の金融機関や年金などから運用資金を預かっている。

両社は、世界最大の運用会社として君臨しているわけだが、その運用をどうコントロールしているかは興味深い。

どちらも、日本経済の規模をはるかに上回る巨額資金を、米国中心に世界の金融マーケットに放り込んでいる。

それどころか、両社が預かり運用する資金は、どんどん膨れ上がっているのだ。

両社にとっては、現状の様にすさまじいバブル高を続けている間は、順調な運用ということになる。

だが、金融バブルが崩れたら一体どうなるのだろう? 金額が金額だけに、想像を絶する大変さに追い込まれる。

たとえば、800兆円を預かり運用していて、30%ほどの価格下落に直面したとしよう。

金額にすると240兆円の資産勘定が蒸発してしまい、会社は残りの560兆円を運用することになる。

一方、資金を預けてきた顧客からはバブル崩壊に動揺したり、他の損失の穴埋めとかで解約が殺到することになろう。

かりに100兆円の解約が来ると、会社は残った560兆円から100兆円分の現金を捻出するはめに陥る。

そのためには、新たに100兆円分の売りを出すわけで、バブル崩壊後のマーケットにとっては相当にきつい重荷となる。

ちょっと頭の体操をやってみただけだが、ことほど左様に現行の壮大な金融バブルの崩壊は甚大な影響を及ぼすだろう。

ほとんど毎日のように書いているが、ここは一刻も早く安全圏に逃げておくに如かずである。

金融や経済の正常化のためにも、このカネあまりバブルは一刻も早く崩れてくれた方がいい。