債券バブルの崩壊と、長期投資家がニンマリの図式

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日銀の2%インフレ目標は、どんどん遠のいていっている。 国のメイン政策であるデフレ脱却も、そこから先が見えてこない。

米・欧・日そして中国を巻き込んだ大量の資金供給も、株式や不動産のバブルを醸成しただけで、景気回復にはそれほどの効果をもたらしていない。

とにかく金融政策をということで、各国は金利低下そしてマイナス金利の世界へ踏み込んだものの、債券バブルを引き起こしただけだ。

このままいくと、1800兆円にも積み上がったマイナス利回り債あたりから、バブルが空中分解するように破裂しよう。

そうなると、世界中の機関投資家や金融機関は、3階から4階へ上ったものの突然はしごを外されたようになって、宙に浮いてしまう。

彼らは、後からどんどん買ってくれるから、いつでも高値で売れるだろうという想定で、株式や債券を中心にどんどん高値を買い上がってきた。

そんな彼らにとって、後から続々と来るはずの買いが、ふと入ってこなくなると大変。

あれっ、おかしいぞ買いが入ってこないと察知した瞬間から、彼らは売りに一転する。

その時は、もう誰も買おうとしない。 世界中から殺到する売りの集中で、下げは一直線となる。

ひとたび債券バブルが売りの集中で崩れ出したら、もう手の出しようがない。 一方通行的な売りで、行き着くところまで行ってしまう。

その点、株式は全面安まで暴落した後、必ず個別株を買う動きが出てくる。 そして、一部の企業の株価はV字型の回復となる。

理由は簡単で、債券市場が崩れるとバブルに踊った資金の大半は吹っ飛ぶ。

一部の生き残った資金は、他で運用対象を求めて債券市場から逃げだす。

債券市場から逃げ出した資金が向かうのは、バブル崩壊には無関係だった企業の株式である。

ここなら安心して買えるということで、世界のマネーが集中する。 それが、一部の株価のV字型回復である。

われわれ長期投資家は、いつでもどんな時でも、この分野にしか焦点を当てていない。

そこへ、バブル崩壊で生き残ったマネーが殺到するのだ。 本格的な長期投資の醍醐味を満喫することになる。

明日、明後日は徳島出張で、長期投資家日記はお休みです。