お金に働いてもらおう、投資ごころを育てよう

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つらつら考えるに、日本人はまじめに働き、まじめに生きていくことでは、世界でもピカ一だろう。

これは、もともと国民の多くが農耕を主としてきた民族であり、刻苦精励が浸み込んでいる日本人の特性である。

この気質は、まだ国全体が貧しかったころには、凄まじい力を発揮した。

日本が世界第2位の経済大国にまでのし上がった一番の要因であり、世界に誇っていい。

問題は、日本人の多くが豊かになった先の生き方を知らないことだ。 たしかに物質的な面では満たされてきた。

コマーシャルに乗せられて衝動買いに走ったりするものの、精神的な充足感というか幸せ感では暗中模索している。

そのひとつに、お金のつかい方を知らず、預貯金にため込むばかりの人がほとんど。 といった、日本人特有の現象を挙げられよう。

自分の生活や贅沢には、お金をつかう。 しかし、「社会とか、まわりの人のためにお金をつかう」ということが、からきしできない。

明治維新以来ずっと国民に植え付けてきた貯蓄信仰も、「お金のつかい方は国にまかせておけ、とにかく預貯金しろ」の一点張り。

自分のお金を世の中にまわして、そこで心の満足や精神的な豊かさを楽しむという教育が、まったくなされていない。

それが個人消費の伸び悩みにつながり、バブル崩壊後28年間の経済停滞の大きな要因となっている。

どうしたらいい? もとより働き者の日本人だ、お金にも働いてもらおうという概念を植え付けようではないか。

どう働いてもらう? 長期投資で生活者として応援したい企業の株式を買っていくのが一番わかりやすい。

最近は企業の配当金も多くなってきて、平均で年2.38%の配当利回りとなる。

預貯金の年0.001%など、とうてい及ばない利殖が出来て、なお好きな企業を応援しているという満足感を堪能できる。

お金に働いてもらうことの意義と実利を確認しながら、すこしずつ投資ごころを育んでいくのだ。

投資ごころを育んでいくと、お金を手放すことに不安感や躊躇がなくなり、大らかな心でお金をつかえるようになる。

日本人の多くが、そこまでいったらすばらしい。 日本は本当に豊かな国になっていく。

ともあれ、このまま日本がズルズルと尻すぼりになっていくのは、ゴメン蒙りたい。

お金があるうちに、お金に働きだしてもらおうぜ。